清瀬市旧中央図書館の解体工事が再開へ 原田市長「市民に申し訳ない思い」
東京都清瀬市で3月の市長選に勝利し、市立図書館の復活を公約に掲げて初当選した原田博美市長は、4月6日、閉館した旧中央図書館の再開を断念し、解体工事を再開することを正式に発表しました。就任からわずか1週間での決断となり、市長は「とても悔しくて残念です。再開を願った市民の皆様に申し訳ない思いでいっぱいです」と声を詰まらせながら心境を語りました。
都市公園法の制約と解体の進行が大きな壁に
旧中央図書館は中央公園内に位置しており、都市公園法によって敷地面積の12%までしか建築が認められていません。市の調査によると、公園内には既存の南部児童館等複合施設や、寝台列車「夢空間」を展示する屋根などがすでに1487平方メートルを占めており、旧中央図書館の583平方メートルが加わると、建築可能面積を80平方メートル超えてしまうことが判明しました。
さらに、原田市長が3日に現場を視察した際には、「床や壁、天井がはがされ、想像以上に解体が進み、軀体だけが残る状態」であることを確認。工事の中断により、人件費や違約金などで1日約100万円の追加費用が発生していることも、迅速な判断を迫る要因となりました。
公約実現への模索と市民への思い
市長選では、6館から3館に再編された図書館問題が大きな争点となり、現職の渋谷桂司前市長が落選。旧中央図書館の解体工事は一時中断されていましたが、原田市長は「中央図書館の再開が困難であることは前市長も分かっていたのではないか。解体に手を付けないでほしかった」と本音を漏らしました。
一方で、市長は「駅前図書館の拡充や、閉館した三つの地域図書館の再開により、公約を実現したい」と述べ、図書館サービス全体の充実に向けた取り組みを続ける意向を示しました。解体工事は4月7日から再開される予定です。
この決定は、市民の期待を背負って当選したばかりの市長にとって、苦渋の選択となりました。清瀬市の図書館をめぐる課題は、単なる建物の存続問題ではなく、都市計画と公共サービスのバランスを考える重要な事例として、今後の行政運営に影響を与える可能性があります。



