交野市役所が職員間の呼称を「さん」に統一 パワハラ防止対策として導入
大阪府交野市役所において、幹部職員によるパワーハラスメントの疑惑が浮上したことを受け、山本景市長は職場環境の改善に向けた新たな取り組みを発表しました。その一環として、職員間の呼称を「さん」に統一する方針を明らかにし、職制にかかわらず丁寧語の使用を推奨することを決定しました。
フラットな関係構築を目指す呼称改革
山本市長は、「職員間のフラットな関係を構築し、ハラスメントのない職場環境づくりを進めたい」と述べ、2026年1月に職員に対して通知を行いました。この通知では、すべての職員が互いを「さん」付けで呼び合うこと、そして丁寧語を用いることが推奨されています。ただし、違反した場合の罰則は設けられていないことも明記されています。
この措置は、上下関係を強調する従来の呼称を改め、対等なコミュニケーションを促進することで、パワーハラスメントの発生を防ぐことを目的としています。市役所内では、長年にわたる慣習を変えることへの戸惑いも予想されますが、山本市長は「職場の風土改革に不可欠な一歩」と位置づけています。
パワハラ疑惑の背景と第三者委員会の設置
今回の呼称統一策の背景には、2011年から2024年にかけて、上司だった幹部職員2人による計9件のパワーハラスメントの内部通報があったことが挙げられます。通報内容は、業務上の不当な指示や精神的圧迫など多岐にわたるとされています。
通報を受けて、交野市は第三者委員会を設置し、パワハラの事実確認を進めています。委員会では、関係者への聞き取りや証拠の精査を行い、客観的な調査を実施中です。市の関係者は、「早期に真相を明らかにし、再発防止策を講じることが急務」とコメントしています。
この問題は、地方自治体における職場環境の在り方に一石を投じるものとして、注目を集めています。特に、組織内の権力構造がハラスメントを助長するケースは少なくなく、交野市の取り組みが他自治体にも影響を与える可能性が指摘されています。
今後の課題と展望
呼称統一は、職場の雰囲気を変えるための表面的な変更に留まらず、根本的な意識改革を促す試みです。しかし、罰則がないことから、実効性をどう確保するかが課題となります。市役所内では、研修や啓発活動を通じて、職員一人ひとりが自発的に取り組める環境づくりが求められています。
また、第三者委員会の調査結果次第では、さらなる対策が必要となる可能性もあります。山本市長は、「透明性の高い対応を心がけ、市民の信頼に応えたい」と強調しており、今後の進展に注目が集まっています。この動きは、全国の自治体におけるハラスメント防止対策のモデルケースとなるかもしれません。



