大阪都構想の法定協議会設置議案が提出見送り 維新市議団の反発で調整難航
大阪府の吉村洋文知事(日本維新の会代表)らが推進する大阪都構想の3回目の住民投票をめぐり、大阪市は6日、都構想の制度設計を行う「法定協議会」の設置議案の市議会への提出を見送った。吉村氏らは当初、6日中の議案提出をめざしていたが、維新の市議団内で反発が生じ、想定が崩れた形となった。
維新市議団の慎重姿勢が背景 前回選挙で公約に掲げず
吉村知事と大阪市の横山英幸市長(維新副代表)は、来年4月までの住民投票実施を想定している。そのためにはまず、大阪府と大阪市による法定協議会を設置し、具体的な制度案を作成する必要がある。法定協議会の設置には、維新が過半数を占める府議会と市議会の両方で設置議案を可決しなければならない。
吉村氏らは、維新内での調整が整えば6日に市議会、9日に府議会に設置議案を提出し、3月下旬に閉会する両議会で可決させたい考えだった。しかし、市議団は前回の市議選で都構想を公約に掲げていなかったため、法定協議会の設置に対して慎重な意見が根強く存在している。
市議団は4月ごろに市内全24区で市民との対話を実施した上で、設置の是非を検討する意向を示しており、法定協議会の設置は事実上、暗礁に乗り上げた状況だ。
横山市長は丁寧な調整を強調 吉村知事は明言避ける
横山市長は6日、記者団に対し、「できるだけ早く議案を提出したいという思いはあるが、一方で丁寧に意見を重ねながら進めたいという思いもある」と説明した。引き続き、開会中の今議会での議案提出をめざす姿勢を示した。
一方、吉村知事は同日、府議会だけで今議会に議案を提出する可能性について、「考え方はいろいろある。本来であれば市と一致して提案したい」と述べ、明言を避けた。この発言は、府と市の足並みが揃わない状況を浮き彫りにしている。
維新内での調整が焦点 住民投票への道筋不透明に
大阪都構想は、大阪市を特別区に再編し、府と一体化した広域行政を実現する構想で、過去に2回の住民投票が実施されているが、いずれも否決されている。3回目の挑戦をめぐっては、吉村知事らが早期の実現を強く望んでいる一方、維新内部からも慎重な意見が噴出し、調整が難航している。
法定協議会の設置が遅れれば、来年4月までの住民投票実施スケジュールにも影響が及ぶ可能性が高く、今後の維新内の議論と調整が注目される。特に、市議団が市民との対話を重視する姿勢を示している点から、早期の合意形成は容易ではない情勢だ。
大阪都構想を巡る政治動向は、今後の地方自治の在り方にも大きな影響を与えるだけに、関係者の動きに引き続き注目が集まっている。



