維新元代表の松井氏、市議団の都構想への慎重姿勢に「萎縮せずやれ」と激励
2026年3月5日、大阪都構想の議論再開をめぐり、日本維新の会の本拠地である大阪で党内の溝が深まっている。吉村洋文大阪府知事(日本維新の会代表)が3回目の住民投票実施を目指す一方、維新の大阪市議団は早期の議論再開に慎重な姿勢を崩していない。こうした状況の中、4日夜に松井一郎・前大阪市長(維新元代表)と市議団が会食し、松井氏は市議団の考えに理解を示しつつも「萎縮せずやれ」と激励した。
2020年の住民投票敗北を経て再燃する都構想論議
2020年11月に行われた大阪都構想の住民投票では、反対票が多数を占め、維新にとって痛手となった。当時、松井氏は大阪維新の会の代表として、吉村洋文代表代行(当時)と共に結果を受け止める姿が印象的だった。それから約6年が経過し、吉村氏は来年4月までの住民投票実施を想定。しかし、その実現には法定協議会の設置が不可欠であり、維新が過半数を握る府市両議会での議案可決が必要だ。
吉村氏らは3月上旬に議案提出を考えていたが、市議団は前回の市議選で都構想を公約に掲げていないことを理由に、早期の法定協議会設置に慎重な姿勢を示している。市議団は3~4月をめどに市内全24区で市民との対話を重ねた上で、設置の是非を判断する方針で、法定協議会の設置は暗礁に乗り上げている。
松井氏が市議団に語った「行動を起こすのが普通だ」
関係者によると、4日夜の会合は維新の国会議員が松井氏に呼びかけて開催され、若手市議も含めて20人以上が参加した。松井氏は「公約で示していない方向への理解を市民に求めるには、何か行動を起こすのが普通だ」との趣旨の発言を行い、市議団の慎重な姿勢に理解を示しつつも、積極的な議論を促した。
別の出席者によると、松井氏は市議団に対し、萎縮することなく都構想の議論を進めるようエールを送ったという。これは、吉村氏の急進的な姿勢と市議団の慎重論の間で深まる党内の溝を埋め、結束を保とうとする意図が窺える。
本拠地・大阪で広がる維新内の亀裂
大阪都構想を巡っては、吉村氏が法定協議会の早期設置を急ぐ一方、市議団は市民との対話を優先する姿勢を堅持しており、党内の対立が表面化している。この状況は、維新が長年結束を誇ってきた大阪での基盤に揺らぎをもたらす可能性がある。
松井氏は現在も維新内で強い影響力を保持しており、今回の発言は党内調整役としての役割を果たそうとするものと見られる。しかし、市議団の慎重論が根強い中、吉村氏の想定する道筋に狂いが生じており、今後の展開が注目される。
大阪都構想の議論は、単なる行政改革の枠を超え、維新の党内力学や地方政治の行方を左右する重要な課題となっている。松井氏の激励が市議団の姿勢を変えるか、あるいは溝がさらに深まるか、今後の動向から目が離せない。
