茨城県筑西市のしもだて美術館で開催中の漫画家「さいとう・たかを原画展」で3日、ギャラリートークが行われた。さいとうさんの編集担当を務めたビッグコミック編集長・佐藤敏章さん(76)が、来場者に向けて「先生」や作品への熱い思いを語った。
貸本漫画の衝撃
佐藤さんはさいとうさんとの出会いを「貸本」だったと振り返る。「貸本漫画の多くは少し暗くてリアルな物語が多かったが、さいとう作品は明るくて、シャープで、オシャレで、子供心に憧れた。当時こんなにうまい絵は他になかった」と当時の感動を語った。
会場には原画がずらりと並び、佐藤さんはその前で思い出を披露した。
少年時代から職人への道
佐藤さんによると、中学時代のさいとうさんは「悪ガキだったが、絵だけはうまかった」という。母親は漫画家志望を快く思っていなかったが、散髪の仕事をしながら1年かけて描いた「空気男爵」が19歳のときに貸本出版社から刊行され、新聞でも取り上げられた。
その後、さいとうさんは自身のプロダクションを設立。佐藤さんは「母の抵抗もあったため、職人として自立するために若くして会社を作り、大人向けの漫画である劇画を量産した。多くの優秀なスタッフを抱えることで持続可能なシステムができた。先生は優秀なプロデューサーだった」と評価した。
展示の見どころ
原画展では600点以上の原画が展示されており、6月28日まで開催されている。さいとう・たかをファンはもちろん、漫画史に興味がある人にも見逃せない展示となっている。



