東京都は、都内農業者の働き方を見直すため、本年度からスポットワーカーと呼ばれる短時間・単発の働き手の活用を本格的に推進する。都はこのほど、スポットワーカーを仲介する事業者「タイミー」(東京都港区)と連携協定を締結した。今月から農業者向けの説明会を開催するほか、実際にサービスを利用した農業者には奨励金を支給するなど、活用を促す施策を展開する。
「東京農業の働き方ガイドライン」に基づく取り組み
都は昨年度、「東京農業の働き方ガイドライン」を策定。農業は労働時間や休日などが労働基準法の適用外となっているが、同ガイドラインでは1日の作業時間を8時間以内にすることや週休日の設定など、労働時間の管理を提案している。また、年1回の健康診断の受診や取り扱う荷物の重量、暑さ対策などについても数値の目安を示し、農業者が参考にできるよう呼びかけている。
ガイドラインでは、休日確保の方策として「外部労働力の活用」を挙げており、その具体策としてスポットワークの雇用仲介会社「タイミー」との連携が決まった。都はこの連携を通じて、農業者が繁忙期に柔軟に労働力を確保できる環境を整え、働き方の改善を図る。
小規模経営が多い都内農業の現状
都農業振興課によると、都内の農業は多くの場合、家族などによる小規模な経営が中心で、従業員を雇うことに不慣れなケースが多い。こうした背景から、都は農業協同組合(JA)などに呼びかけ、雇用法規やタイミーの求人アプリの使用方法などを伝える説明会を開催する。さらに、タイミーを通じて5回以上働き手を利用した農業者には、1回限りで1万円の奨励金を支給する。説明会の開催経費や奨励金などとして、本年度は約1000万円の予算を計上している。
同課の担当者は「収穫期など作業が集中する時期がある農業は、スポットワークと相性が良いと考えている。この取り組みを通じて東京の農業を知ってもらい、新たな担い手が増えることにも期待したい」と話している。



