千葉のスリバチ地形の魅力を探求 稲垣憲太郎会長が県内3エリアを厳選紹介
千葉スリバチ地形の魅力 稲垣会長が3エリア紹介 (06.03.2026)

千葉のスリバチ地形に隠された魅力を掘り起こす

身近な地形に多様な発見が潜んでいる。地域を歩きながら土地の魅力を発信し続ける千葉スリバチ学会会長の稲垣憲太郎さん(64歳、東京都江戸川区在住)が、首都圏などの「推しスポット」を紹介する書籍において、千葉県内の3エリアを厳選して執筆した。10年以上にわたって活動を継続する稲垣さんは「変化に富む地形、歴史のエピソード…。まち歩きは本当に面白い」と語り、日々カメラを手に各地を探索している。

50代で目覚めたまち歩きの楽しみ

スリバチとは、台地や丘などの高台から見てへこんだようなくぼ地を指す用語である。谷戸や谷津とも呼ばれ、東日本に多く分布しているという特徴がある。

稲垣さんが執筆を担当したのは、2026年1月に刊行された書籍「東日本 スリバチ地形 まち歩き」(学芸出版社)の第2巻に収録された千葉の章である。同書では千葉市、市川市、佐倉市の3エリアを取り上げている。具体的には、千葉市中央区の亥鼻公園たもとにある源頼朝ゆかりの井戸の跡、市川市に残る万葉の時代の名残を感じさせる風景、佐倉市の佐倉城跡に見られる戦国時代から江戸、近代に至る歴史など、多岐にわたるテーマを扱った。土地の歴史的な話題と、台地や起伏に富む地形との関係性を詳細に記述している。この第2巻には、東京の下町・多摩武蔵地域や神奈川県、静岡県なども紹介されている。

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かつて都内の生命保険会社に勤務していた稲垣さんは、50代前半の時期に東京のスリバチ学会の活動に参加したことをきっかけに、まち歩きの魅力に目覚めた。週末を利用して各地を探索する中、2014年から活動の舞台を千葉県に移し、千葉スリバチ学会長として県北部の下総台地を中心に、県内約200カ所を歩いてきた実績を持つ。

「シブい場所を知ってほしい」という願い

例えば、稲垣さんが県内で最初にスリバチ地形の探訪先として選んだ市川市の市川駅北側に広がる国府台台地周辺は、今回の書籍でも取り上げられている。このエリアには万葉集に詠まれた「伝説のヒロイン・真間の手児奈」にまつわる碑などが存在する。しかし、一般的な知名度は必ずしも高くなく、訪れる人も多くないのが現状である。手児奈は多くの男性に慕われながらも、争いの原因となることを苦にして入水したというさまざまな伝承が残されている。稲垣さんは「千葉のこうしたシブいスポットを、もっと広く知ってもらいたい」と熱く語る。

春と秋には散策イベントを開催しており、フェイスブックで告知すると定員30人はすぐに埋まってしまうほどの盛況ぶりだという。稲垣さんはこれまでにも著書「千葉スリバチの達人」(昭文社)を出版するなど、積極的な情報発信を行っている。また、新聞の千葉版で「ぷらっと千葉 でこぼこ探訪」を連載中であり、「今後は木更津や市原、館山や勝浦などにも活動を広げていきたい」と今後の展望を明かしている。

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