小型ロケット「カイロス」3号機が和歌山から打ち上げ 5基の衛星搭載で通信実証など実施
カイロス3号機打ち上げ 和歌山から5衛星搭載で通信実証

小型ロケット「カイロス」3号機が和歌山から打ち上げ 5基の衛星搭載で通信実証など実施

宇宙新興企業スペースワン(東京)の小型ロケット「カイロス」3号機が、3月1日午前に和歌山県串本町の同社発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げられました。今回の打ち上げでは、小型の人工衛星5基が搭載されており、宇宙空間への軌道投入が成功すれば、通信機能の実証など様々なミッションで活用される見込みです。

高頻度打ち上げを目指す小型ロケットの挑戦

カイロスは全長約18メートルの小型ロケットで、国の主力ロケット「H3」の3分の1以下のサイズです。このロケットは、小型衛星を宇宙空間に何十基から何百基も配備し、高速インターネット通信や高精細な地上観測に生かす研究開発を対象に、高頻度の打ち上げを目指しています。現状では、民間ロケットで高頻度に打ち上げられているのは米国勢が中心ですが、カイロスはその流れに挑戦する存在です。

搭載される5基の衛星とそのミッション

今回搭載される衛星は、以下の5つの新興企業や教育機関などが開発しました。

  • テラスペース(京都府京田辺市):約70キロの小型衛星で、搭載した望遠鏡が宇宙空間で機能するか確認したり、内部の小さな構造物を衛星から放出するシステムの一部を試験します。
  • アークエッジ・スペース(東京)
  • スペースキュービックス(札幌市)
  • 私立広尾学園高校(東京):約4.5キロの衛星を2~3年生6人が開発。電波ではなく可視光を使い、観測した温度情報を地上に届ける通信の実証実験を行います。同校は2024年12月の2号機にも衛星を載せましたが、宇宙空間への放出はできませんでした。
  • 台湾の宇宙機関(TASA)

国内打ち上げの利便性と期待の声

2月18日に開催された説明会では、テラスペースの担当者がカイロスの打ち上げに期待を寄せました。「海外にこの規模の小型衛星を持っていくのは大変です。朝に発送すれば夕方には串本に到着する利便性も魅力で、国内での打ち上げは非常にありがたい」と述べ、国内発射場の活用による効率化を評価しています。

この打ち上げは、日本の宇宙産業の活性化や教育機関の参画を促進する重要な一歩となるでしょう。今後もカイロスシリーズの活躍に注目が集まります。