スペースワン「カイロス」3号機、打ち上げ再延期 和歌山・串本町で見学者1400人が残念がる
宇宙新興企業スペースワン(東京)の小型ロケット「カイロス」3号機が、和歌山県串本町の発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げ予定だった1日、発射直前で中止となった。串本町と那智勝浦町の見学場に集まった計約1400人の見学者からは、残念がる声が一斉に上がり、2度目の延期を受けて、宇宙ファンたちは次回の打ち上げ成功を祈る思いを強くした。
快晴の空に「えーっ」 田原海水浴場でため息
午前10時30分過ぎ、串本町の見学場である田原海水浴場で打ち上げ中止がアナウンスされると、見学者からは「えーっ」というため息がもれた。親子連れを中心に、「なんで?」「晴れているのに」と疑問の声が飛び交い、多くの人々が快晴の空を見上げていた。春の訪れを感じさせる好天にもかかわらず、ロケットの雄姿を見ることができず、会場には失望感が漂った。
春先の天候が想定外 スペースワンが経緯を説明
同日午後、串本町内のホテルで行われた記者会見では、スペースワンの阿部耕三執行役員が打ち上げ延期の経緯を詳しく説明した。同社は発射場上空の気象観測を直前まで継続した結果、事前に想定していた1月から3月の冬型の気候ではなく、春先の天候状況となっていたことが影響したと明かした。
阿部氏は「入手した昨年や一昨年の気象データと、実際の天候が異なっている実感がある。変化に対応する必要があり、打ち上げを重ねることで知見が蓄積されていく」と強調。さらに、2日と3日は雨が降る可能性があるため、「今日以上に打ち上げに適した日を設定して臨みたい。楽しみにしていた方々には申し訳ないが、一層精進していく」と語り、今後の成功に向けた決意を示した。
この延期は、宇宙開発における気象条件の重要性を改めて浮き彫りにし、新興企業の挑戦が続く中で、技術と経験の積み重ねが不可欠であることを示唆している。見学者たちは、次回の打ち上げ日程が発表されるのを心待ちにしながら、和歌山の地から宇宙への夢を託している。
