日立製作所とトレンドマイクロは、米国の新興企業アンソロピックが開発した新型人工知能「クロード・ミュトス」をサイバーセキュリティー対策に活用する動きを加速させている。AIの進化に伴いサイバー攻撃の高度化が懸念される中、最先端のAIを防御に生かす狙いだ。
日立、プロジェクト・グラスウィングに参加
日立製作所は5日、アンソロピックが主導するサイバーセキュリティー対策の取り組み「プロジェクト・グラスウィング」に参加する契約を結んだと発表した。これにより、ミュトスへのアクセス権を獲得。エネルギー分野をはじめとする社会インフラ向けシステムを手がける日立は、ミュトスを活用してシステムの脆弱性をチェックし、事前に修正していく方針だ。
トレンドマイクロも参加、脆弱性発見を効率化
サイバーセキュリティー大手のトレンドマイクロも4日、グラスウィングへの参加を発表。AIによってシステムの弱点を効率的に洗い出し、専門家による情報開示や優先順位を付けた修復対応を支援することで、顧客企業のリスクを低減できるとしている。トレンドマイクロは「AIによる脆弱性発見の加速は、業界にとって前向きな状況」と歓迎している。
ミュトスの能力とリスク
システムの脆弱性を見つける能力が高いミュトスは、悪用されれば社会インフラへの重大な脅威になると懸念されている。企業側はミュトスを盾に自社サービスの安全性を高めたい考えだ。
アンソロピック、アクセス権を拡大
アンソロピックは2日、日本を含む15カ国以上の約150組織にミュトスへのアクセス権を新たに付与すると発表。片山さつき金融相は、対象に日本政府や大手銀行などが含まれていることを明らかにしていた。



