拉致被害者家族会と救う会が新たな運動方針を決定 即時一括帰国実現なら国交正常化交渉に反対せず
北朝鮮による拉致被害者の家族会と支援組織「救う会」は、2月15日に東京都内で合同会議を開催しました。この会議において、両組織は新たな運動方針を決定し、注目を集めています。
新方針の核心:即時一括帰国と国交正常化交渉への姿勢転換
新たに決定された運動方針の核心は、「全拉致被害者の即時一括帰国」が実現した場合、北朝鮮との国交正常化交渉の開始に反対しないという点にあります。これまで両組織は、人道支援や独自制裁解除に反対しない立場を維持してきましたが、今回の方針はそれをさらに発展させた形となっています。
合同会議後の記者会見では、横田めぐみさん(拉致当時13歳)の母である横田早紀江さん(90歳)が出席し、「高市首相が力を出してくださると希望を持っている」と述べ、政府への期待感を示しました。また、家族会代表の横田拓也さんも同席し、新方針の意義を説明しました。
具体的な条件と帰国後の対応方針
新方針では、以下の具体的な条件と対応が明記されています:
- 拉致被害者全員の救出を最優先事項とすること
- 帰国が実現した被害者に対しては、他の被害者の消息以外の情報を聞き出さないこと
- 帰国者が「反北朝鮮活動をしない」ことを前提とすること
一方で、これらの条件が満たされなかった場合には、「強い怒りで独自制裁強化を求める」と強調しており、柔軟性と厳格さを併せ持った方針となっています。
家族の切実な願いと背景にある事情
この日の合同会議は、特別な意味を持つ日でもありました。昨年96歳で亡くなった有本恵子さん(拉致当時23歳)の父・明弘さんの命日に当たっていたのです。会見に出席した長女の北谷昌子さん(69歳)は、「両親ともに再会を果たせず、本当にかわいそうだった。一刻も早く帰ってきてほしい」と切実な願いを訴えました。
親世代が高齢化する中で、「健在なうちに全被害者の帰国を実現したい」という時間的制約が、今回の新方針決定の背景にあると考えられます。これまでの立場を維持しつつ、日朝首脳会談の早期実現に向けた交渉の加速を迫る形となっています。
この新方針は、拉致問題解決に向けた新たな段階を示すものとして、今後の日朝関係に影響を与える可能性があります。政府の対応と北朝鮮の反応が注目されます。