米政府高官は9日、バイデン大統領がウクライナに対し、長距離精密誘導ミサイル「ATACMS(陸軍戦術ミサイルシステム)」の供与を承認したと明らかにした。ウクライナ軍が現在進めている反転攻勢を支援する狙いがあるとみられる。この高官は匿名を条件に、供与されるミサイルは射程約300キロメートルのタイプで、クラスター弾頭を搭載すると述べた。
供与の背景と目的
今回の決定は、ウクライナがロシア軍の防衛線を突破する上で長距離火力の重要性が高まっていることを受けたものだ。ATACMSは既に供与されているHIMARS(高機動ロケット砲システム)から発射可能で、ウクライナ軍の攻撃範囲を大幅に拡大する。米国はこれまで、エスカレーションを懸念してATACMSの供与に慎重だったが、ウクライナ側の強い要請に押される形で方針を転換した。
ウクライナの反応
ウクライナのゼレンスキー大統領は、今回の決定を歓迎し、「我々の防衛能力を強化する重要な一歩だ」と声明で述べた。一方、ロシアのペスコフ大統領報道官は「米国はウクライナ紛争に直接関与している」と非難し、報復措置を示唆した。
今後の影響
専門家は、ATACMSの供与が戦況に与える影響について、ウクライナ軍がロシア軍の補給線や司令部を攻撃できるようになるため、戦術的な優位をもたらす可能性があると分析している。しかし、供与数が限られているため、劇的な変化は期待できないとの見方もある。米国政府は、ウクライナがミサイルをロシア領土内の攻撃に使用しないことを条件としている。



