温暖化で豪雨は3倍起きやすく?猿橋賞・今田由紀子氏の研究
温暖化で豪雨は3倍起きやすく?猿橋賞・今田由紀子氏

猿橋賞に今田由紀子氏、温暖化と豪雨の関連を数値化

自然科学分野で優れた業績を上げた女性科学者をたたえる第46回猿橋賞に、東京大学准教授の今田由紀子氏(47)が選ばれた。選考を行った「女性科学者に明るい未来をの会」(中西友子会長)は、「異常気象のリスクを科学的に裏付け、温暖化対策を訴える活動を後押しした」と評価している。

近年、日本では集中豪雨や猛暑が頻発している。こうした異常気象に地球温暖化がどの程度影響しているかを数値で示す手法として、「イベントアトリビューション(EA)」がある。EAは2010年ごろ、英国オックスフォード大学の研究者が初めて提唱した。

EAでは、スーパーコンピューターを用いて、温暖化が進行した実際の地球と、温暖化していない仮想的な地球を再現する。シミュレーションを繰り返し、それぞれの異常気象の発生確率を比較することで、温暖化の影響度を明らかにする。今田氏の研究によれば、気温が1度上昇すると、豪雨の発生確率は約3倍になるという。

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独自の手法で地域スケールの分析を実現

集中豪雨のような極端な降雨は、発生メカニズムが複雑であるため、EA研究は困難とされてきた。しかし、今田氏はEAの手法を独自に発展させ、日本で発生した異常気象と温暖化との関連を地域スケールで分析することに成功した。

例えば、2018年の西日本豪雨を対象にした研究では、温暖化によって豪雨の発生確率が有意に増加していることを示した。このような研究は、気候変動対策の重要性を科学的に裏付けるものとして注目されている。

今後の展望と課題

今田氏は、今後さらに精度の高い予測モデルの開発を目指すとともに、研究成果を社会に還元する活動にも力を入れるとしている。温暖化が進む中で、異常気象への備えや対策を強化するためには、科学的な根拠に基づいた情報が不可欠だ。

猿橋賞は、女性科学者の地位向上と研究奨励を目的に1981年に創設された。今田氏の受賞は、気候科学分野における女性研究者の活躍を象徴するものとして、今後のさらなる発展が期待される。

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