ニュージーランド・オークランド市の地区委員会は28日、旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する少女像の市有地への設置を認めないことを正式に決定した。この判断は、市民らの意見が割れ、地域社会に分断を招く可能性があると考慮した結果である。
背景と経緯
この少女像は、韓国の市民団体が寄贈したもので、別の韓国系団体がオークランド市内の市有地にある韓国庭園での展示を計画し、設置許可を求めていた。地区委員会は2025年半ばごろ、いったん設置を了承したが、その後、像の持つ意味合いや設置への懸念が寄せられたため、同年9月に許可を保留。今年1月には市民から意見を募集し、600以上のコメントが寄せられ、そのうち約6割が設置に反対する意見だったという。
外交的影響
大沢誠駐ニュージーランド大使は、これまでに「日本とニュージーランドの外交関係に重大な影響を及ぼしかねない」として、設置に反対する立場を示してきた。今回の決定は、こうした外交的懸念も考慮されたものとみられる。
委員の見解
会議では、従軍慰安婦を巡る議論は日本と韓国の間の「他者の問題」であり、ニュージーランドに持ち込むべきではないとの考えを示す委員もいた。この見解は、地域社会の調和を重視する立場から支持を得た。
オークランド市は多様な民族が共存する都市であり、今回の決定は地域の一体性を守るためのものと説明している。韓国系団体は今後、設置場所の変更を検討する可能性がある。



