退避勧告から2時間後に円高進む 財務省の言葉選びと介入の舞台裏
退避勧告から2時間後に円高 財務省の言葉選びと介入の舞台裏

政府・日銀が1年9カ月ぶりに為替介入に踏み切った。財務省幹部が「最後の退避勧告」を宣言してから約2時間後、急速に円高が進みはじめた。入念に言葉を選び、金融市場に介入が近いことを示唆したうえでの実行だった。その裏で何があったのか。

異例の大臣、財務官連続発信

1ドル=160円台後半まで円安が進んだ4月30日午後5時前。片山さつき財務相が急きょ、省内で記者団の取材に応じた。関係者によると、この日は財務省に戻る予定はなかったが、わざわざ日程を変更したという。

「いよいよ、かねて申し上げてきた断固たる措置を取るタイミングが近づいている」

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カメラの前に立った片山氏は、こう述べた。その後、財務官も同様のコメントを発表し、市場関係者に強い警戒感を与えた。

「最後の退避勧告」の意味

財務省幹部はこの発言を「最後の退避勧告」と位置づけていた。市場参加者は「これ以上円安が進めば介入がある」と受け止め、実際にその約2時間後に円高が急加速した。

介入のタイミングは、ニューヨーク市場が開く前の時間帯で、流動性が低い時間帯を狙ったとみられる。財務省は「投機的な動き」に対抗するため、効果的なタイミングを模索していた。

今回の介入は、1年9カ月ぶりの実施であり、その規模は明らかにされていないが、市場では数兆円規模との見方もある。財務省は「過度な変動に対して断固たる措置を取る」と強調しており、今後も必要に応じて介入を継続する姿勢を示している。

片山財務相は会見で、「為替相場の安定は極めて重要だ。行き過ぎた動きには断固たる措置を取る」と改めて述べ、市場に警告を発した。

今回の介入を巡っては、事前の言葉選びが巧妙だったとの評価がある一方で、介入の効果が持続するかどうかは不透明だ。市場では、日米の金利差や日本の貿易赤字など、円安の根本的な要因が解消されていないとの見方が強い。

財務省は今後も、市場の動向を注視しながら、必要に応じて機動的な対応を取るとしている。

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