岐阜県関市で、こだわりのイタリアワインを気軽に楽しめる新たな試みが始まった。同市下有知の人気イタリア料理店「ひつじや」と、同市山王通でイタリアワインの輸入を手がける「サンテイ」が連携し、店内でワインを飲むだけでなく、ボトルをそのまま持ち帰ることも可能にした。これにより、ワインの“地産地消”を実現し、地域の魅力を発信する狙いだ。
「ひつじや」と「サンテイ」の協業の背景
「ひつじや」は2009年10月にオープンしたイタリア料理店で、シェフの古田洋介さん(50)が腕を振るう。同店は酒類販売業免許を取得しており、客は店内でワインを楽しむだけでなく、ボトルを購入して自宅に持ち帰ることもできる。この免許取得のきっかけはコロナ禍だった。外出自粛で客足が伸び悩む中、テイクアウトのピザに力を入れると同時に、厳選したボトルワインの販売を思いついたという。
一方、「サンテイ」は総合アパレルメーカーだが、イタリアでのファッション展示会を通じて同国に精通しており、コロナ禍を機にイタリアワインの直輸入事業を開始した。取締役の広山進さん(57)は「知る人ぞ知るローカルワイナリーを中心に選んだ」と語り、品ぞろえはワイン通をもうならせる内容だ。
両者の出会いとワインの魅力
両者の取引が始まったのは2025年3月。サンテイが試飲会場として「ひつじや」の協力を得たことがきっかけだった。古田さんも試飲し、「造り手さんの気持ちがダイレクトに伝わるワイン」とその魅力に感動。広山さんに依頼し、こだわりの銘柄からさらに厳選したワインを2026年5月に店頭に並べた。
古田さんは「ここでしか味わえないもの、自分が好きなものを広めてお客さんと共感したい」と一貫した信念を持ち、このワインにもその思いが共鳴している。また、「ワインは生きている。セラーを見せてもらったが、温度管理が徹底しており信頼できる」と広山さんの姿勢を評価する。
地域活性化への期待
古田さんは県外からの来客も多いことから、「関市の会社が輸入していると説明できる。店とワインを通じて関市のアピールになる」と期待を寄せる。広山さんも「鮮度を落とさずに届けられる。これをビジネスモデルとして勉強させてもらい、広がりができれば」と胸を高鳴らせる。
「ひつじや」の自慢は500度の窯で焼き上げるピザだ。古田さんは「テイクアウトでピザとワインを自宅でも楽しんでほしい」と話し、繁盛店に育てた極意は「口コミで徐々に広まる」ことだと語る。ローカルのペアリングをじっくりと熟成させていく姿勢が、新たなファンを生み出している。
持ち帰りのワインだけでも歓迎しており、ワインの問い合わせは午前10時から午後3時まで。月曜定休。問い合わせは「ひつじや」(電話0575-23-1787)まで。



