連載:経済インサイド 深掘り肉増しカレー100万個なぜ売れた? MZ世代はコスパよりメンパ?
2026年6月6日 7時00分 有料記事 橋田正城
肉量最大のカレー、糖度たっぷりの炭酸飲料、濃厚メロンパン……。自分を甘やかし、食欲の沼にはまる「ギルティ(罪悪感)消費」にいざなう飲食商品で今年、ヒットが相次いでいる。主なターゲットは15~44歳のMZ世代。健康への意識が高いとされるこの世代が、「背徳メシ」を求めるのはなぜなのか。
肉量にこだわったレトルトカレー、100万個突破
ハウス食品で会心の売れ行きを記録している商品がある。レトルトの「カレーでニクる。」。1袋160グラムで、牛肉版は50グラム、豚肉版は55グラムの肉が入る。2025年2月の発売時点で肉の量はハウス食品のレトルトカレー史上最大、肉の大きさも最大級。広告をあまり打っていないのに、発売から1年あまりで、ヒットの目安となる「100万個」に達した。
記事のポイント
- 食欲刺激し背徳感たっぷりの食品がブーム
- 若い世代の新たな需要を掘り起こし注目
- 背景にメンタルパフォーマンスの重視?
「カレーでニクる。」を開発したハウス食品の岩金慶さん(25)は「主役はカレーではなく、肉。健康志向の方をターゲットにしていない」と言い切る。「ニクる」がウケる理由について、岩金さんら開発陣の中心は20代で、彼ら自身の消費体験が反映されているという。
MZ世代は従来の「コスパ(コストパフォーマンス)」よりも「メンパ(メンタルパフォーマンス)」を重視する傾向がある。ストレス社会の中で、自分へのご褒美や癒しを求める「ギルティ消費」が広がっている。健康意識が高いからこそ、たまには罪悪感を楽しむという逆転の発想がヒットを生んだ。
ハウス食品は今後も「ギルティ消費」を意識した商品開発を進める方針で、MZ世代の心をつかむ新たなヒットが期待される。



