物流ベンチャーのT2(東京都千代田区)は、自社開発した自動運転トラックを通じて業界の人手不足解消に挑んでいる。代表取締役CEOの熊部雅友さん(46)は「荷物が当たり前に届く社会を支えたい」と語る。
自動運転レベル4による輸送を目指す
T2はセンサーやカメラを搭載したトラック約20台を保有。実験用を除く数台で、高速道路のインターチェンジに近い神奈川県綾瀬市と神戸市の物流拠点間を往復し、引っ越し業者やコンビニ、食品メーカーの貨物輸送を請け負っている。
現時点では運転手が同乗するレベル2だが、高速道路の本線上ではハンドル操作なしでの運転に成功。2027年度以降の無人運行レベル4実現に向け、料金所や拠点付近の一般道を人の操作なしで通行できるよう改良を重ねている。
運転手が必要な区間の物流業者とすみ分け
システム開発から輸送事業までを一貫して行い、技術改善につなげやすいのが強み。自動運転の範囲は高速道路などの幹線に限定し、既存の物流業者とすみ分ける。完全無人の輸送が実現すれば、運転手の長距離移動や拘束時間が減り、ラストワンマイルでのサービス向上に専念しやすくなる。
三井物産などの出資で2022年に設立。熊部さんは三井物産などで商用車の輸出や物流の社会課題解決に長年携わり、2025年にT2のトップに就任した。自動運転トラックによる輸送事業を「社会に広く受け入れてもらえるよう努力したい」と力を込める。安全運行には保険などの危機管理体制、遠隔監視の通信技術、物流拠点の整備など他業種との協力が不可欠で、「賛同の輪を少しでも広げたい」と話す。



