連載「2030 SDGsで変える」のインタビュー企画。今回は、日本酒「獺祭」を手がける旭酒造の桜井一宏社長に、環境保全と酒造りの両立について話を聞いた。
水資源保全への取り組み
桜井社長は、水資源の重要性を強調する。「水資源は造る酒の品質と表裏一体です。酒造りには大量の水を使うため、使った水はきれいにして自然に戻さなければなりません」
2023年には財団を設立し、水に関する研究や保全活動に助成を開始。洪水対策から水生生物の多様性まで、幅広い分野を支援している。
排水処理設備への投資
排水処理設備にも注力している。ニューヨークの酒蔵には現地基準に適合した設備を導入。さらに、山口県で建設中の3号蔵では排水処理設備に約10億円を投じている。
「酒米を洗ったり、もろみのタンクを洗浄したりする工程で大量の水を使います。その水をきれいに処理して返すことが、私たちの責任です」と語る。
等外米を活用した酒造り
コメ農家支援の一環として、等級にもれた「等外米」を10年ほど前から買い付けている。桜井社長は「等級がついた酒米に比べて使いにくいですが、買い手がなければ農家は困ります」と説明。
品質を確保するため、等外米は精米機の限界である8%まで磨き、その酒を「獺祭 未来へ 農家と共に」として販売している。
コメ高騰の影響
昨年は不作などでコメが高騰したが、桜井社長は「酒米の買い取り金額を引き上げ、農家との関係を強化しています。持続可能な酒造りには、農家との協力が欠かせません」と述べた。
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