長崎県の公示地価、住宅地は5年連続上昇も長崎市で鈍化 商業地は横ばいに
国土交通省が17日に発表した2026年1月1日時点の公示地価によると、長崎県内の住宅地の平均変動率は1.2%で、5年連続の上昇を記録しました。一方、商業地の変動率は1.4%と前年と同水準で、横ばいに転じています。特に長崎市では、住宅地と商業地の両方で上昇率が鈍化しており、中心部の高価格帯マンションの販売不振が影響しています。
住宅地:大村市や諫早市で好調、長崎市は鈍化
住宅地では、165地点の平均変動率が1.2%と、前年を0.1ポイント上回りました。市町別では、大村市が3.7%で最高となり、人口増加や西九州新幹線開業に伴う新駅設置による通勤・通学の利便性向上が追い風となっています。諫早市も3.3%と前年から0.4ポイント上昇し、市街地周辺や西諫早駅周辺の住宅地で需要が継続しています。
しかし、長崎市は1.1%と、前年より0.1ポイント低下しました。利便性の高い平らな土地の需要は堅調ですが、中心部の高価格帯住宅地では上昇率の鈍化が目立ちます。県内の最高価格は長崎市上西山町の1平方メートル当たり30万2000円でした。
佐世保市は2.0%で、市街地周辺の住宅地が堅調に推移。佐々町は3.0%と、西九州自動車道の4車線化による利便性向上への期待感から割安感が支持されています。一方、五島市(マイナス1.5%)や南島原市(同2.6%)などでは、人口減少や高齢化の進行により地価の下落傾向が続いています。
商業地:長崎市で上昇率低下、浜町アーケードが12年連続最高価格
商業地では、78地点の平均変動率が1.4%で横ばいとなり、2022年以降4年連続の上昇から一転しました。長崎市は2.1%と、前年の2.3%から鈍化。長崎スタジアムシティの開業でJR長崎駅から浦上駅周辺の需要が高まる一方、中心部のマンション業者の動きは低調です。
1平方メートルの最高価格は、長崎市浜町アーケード内の「長崎市浜町3の25」が99万4000円で、12年連続で1位を維持しました。同アーケードは客足が回復しているものの、長崎駅前のアミュプラザ長崎の増床などで競争が激化し、地価の上昇は小幅にとどまっています。
佐世保市(2.4%)では中心部の商店街周辺や幹線道路沿いの需要が堅調で、諫早市(2.0%)では新幹線開業に伴い諫早駅周辺で店舗出店や事務所新設が進んでいます。市町別では大村市が3.6%で最も高く、国道沿いの商業地需要が支えていますが、離島などでは経営者の高齢化などで需要減退が続いています。
専門家の見解:中心部マンションの高価格が販売不振の要因
評価を担当した不動産鑑定士の児島雅彦氏は、長崎市の上昇率鈍化について次のように分析しています。「中心部のマンションは建築資材の高騰もあり、価格が高すぎて売れない傾向にある。現在建設中のマンションが売れるかどうかに今後の需要の回復はかかっている」と指摘。高価格帯物件の販売動向が地価回復の鍵を握るとしています。
全体として、西九州新幹線開業による地域格差が鮮明になる中、長崎県内の地価動向は人口動態や交通インフラの整備状況に大きく左右される様子が浮き彫りになりました。



