マンション規約変更しないと決議無効の恐れ 区分所有法改正の落とし穴
マンション規約変更しないと決議無効 法改正の落とし穴

2026年4月、「マンション法」とも呼ばれる区分所有法が改正され、施行された。管理組合にとって最も影響が大きいのは、総会での決議要件の変更である。マンションの金銭に関わる議案の賛否に直結するため、この法改正に合わせた管理規約の見直しが急務となっている。しかし、すでに対応を済ませた管理組合はどれほどいるだろうか。

決議要件の変更点

管理組合が開く総会では、議案ごとに賛否の決議が行われる。役員選任などの「普通決議」は過半数、共用部分の大きな変更などの「特別決議」は4分の3以上、「建て替え決議」は5分の4以上など、議案によって可決の条件が異なる。

今回改正されたのは、特別決議で多数決をとる際の計算方法である。分母とする数字は3月まではマンションを購入した人(区分所有者)の全員だったが、4月からは総会出席者のみに変更された。つまり、分母が「全員」から「総会出席者」へと変わったのだ。

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法改正の理由

この見直しの背景には、総会に参加しない無関心層の存在により決議に支障が生じていたことがある。規約改正など適切な管理に必要な議案の多くは特別決議を要するが、区分所有者全員を分母とすると可決のハードルが高かった。総会出席者を分母にすることで、議案を通しやすくなるというメリットがある。

一方で、総会成立に必要な定足数も新たに設けられた。特別決議をとるためには、全区分所有者の過半数(50%超)の出席が必要となる。出席には直接参加だけでなく、委任状や議決権行使書を提出した人も含まれる。

具体例で見る影響

例えば、100戸のマンション(1戸1議決権と想定)の場合、改正前は特別決議に4分の3にあたる75戸以上の賛成が必要だった。しかし改正後は、総会に51戸が出席し、そのうち4分の3以上の39戸の賛成で可決されることになる。これにより、少ない賛成数で決議が成立する可能性が生まれた。

標準管理規約の改正と対応の必要性

国土交通省は今回の法改正に合わせ、より詳細なルールを定めた「標準管理規約」を2025年10月に改正している。各管理組合はこの標準規約をもとに、物件の実情に合った管理規約を設けており、それぞれをアップデートする必要がある。

自らのマンションの規約を変更しないまま特別決議をとると、改正された区分所有法に抵触し、決議が無効となる恐れがある。その場合、決議のやり直しといった事態も起こり得る。また、管理会社との契約内容にも注意が必要だ。一部の管理会社は規約に不利な条項を仕込んでいるケースがあり、住民から「地獄の始まりだった」との声も上がっている。

今後の対策

管理組合は早急に規約を見直し、法改正に対応した内容に変更することが求められる。特に、特別決議の要件変更を反映させないと、今後の総会で混乱を招く可能性が高い。また、管理会社との契約更新時には、規約の内容を精査し、不当な条項がないか確認することが重要である。国土交通省のガイドラインも参考にしながら、適切なマンション管理を目指すべきだ。

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