奈良県公示地価、18年ぶり全用途平均上昇 近鉄西大寺駅周辺住宅地人気高く
奈良県公示地価18年ぶり上昇 西大寺駅周辺住宅地人気 (18.03.2026)

奈良県公示地価が18年ぶりに全用途平均で上昇 住宅地は西大寺駅周辺が好調

国土交通省が3月17日に公表した2026年公示地価(1月1日現在)によると、奈良県内の全用途平均変動率は0.1%増となり、18年ぶりに上昇に転じた。住宅地は0.1%減で18年連続の下落となったものの、商業地は1.0%増と4年連続で増加を記録。特に外国人観光客(インバウンド)需要の高まりを受けて、奈良市中心部の地価が堅調に推移している。

住宅地では近鉄大和西大寺駅周辺が人気 利便性向上が追い風

公示地価は1平方メートルあたりの価格を示す指標で、土地取引の重要な目安として活用されている。今回の調査では県内398地点を対象に実施された。

住宅地の平均変動率を見ると、奈良市が1.3%増(前年1.1%増)と県内で最も高い伸びを示した。中でも近鉄大和西大寺駅周辺は、駅前整備による利便性の向上が評価され、徒歩圏を中心に需要が堅調。戸建て住宅とマンションの両方で人気が高まっている。

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続いて生駒市が1.2%増、橿原市が0.7%増、大阪へのアクセスが良好な王寺町が0.4%増となった。近鉄学園前駅に近い「奈良市学園北1の5の12」の地価は34万7000円で、戸建て用地としては44年連続で最高価格を維持している。

一方、県南部では下落幅が大きく、吉野町と下市町が最大の3.2%減、五條市と大淀町が2.7%減と、地域による格差が鮮明になった。

商業地は4年連続上昇 観光需要が地価を押し上げ

商業地の平均変動率は1.0%増で、前年の0.9%増を上回り、4年連続の上昇を達成した。近鉄奈良駅前の「奈良市中筋町1の4」は99万2000円で、44年連続のトップを維持。変動率は9.0%増と、前年の9.6%増から上昇幅は縮小したものの、県内では依然として最も高い伸びを示している。

観光客でにぎわう近鉄奈良駅やJR奈良駅周辺では、需要の高まりに対して供給が限られているため、高い上昇率が続いている状況だ。

工業地は11年連続上昇 交通アクセスの良さが評価

工業地の平均変動率は2.0%増で、11年連続の上昇を記録。奈良市は京奈和自動車道や西名阪自動車道など主要幹線道路へのアクセスに恵まれた好立地が評価され、昨年に続き3.2%増となった。

津波の危険がない大和郡山市や、大阪東部との交通の便が良好な生駒市でも上昇傾向が続いており、工業用地に対する需要の高さがうかがえる。

専門家が今後の動向を分析 世界遺産登録が追い風に

調査の代表幹事を務めた不動産鑑定士の杉本忠樹氏は、今後の地価動向について次のように分析している。

「建築費の高騰や金利の上昇が続けば、住宅地ではマイナス要因が生じる可能性があります。一方で、『飛鳥・藤原の宮都』が世界遺産に登録されれば、商業地において奈良市北部から橿原・飛鳥地域にかけて波及効果が期待でき、プラスに働く可能性もあるでしょう。」

奈良県の地価は、観光需要の高まりや交通インフラの整備、さらには文化遺産の価値向上など、多様な要因によって今後も変動していく見込みだ。

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