ガソリン価格が1リットル200円超えへ 原油急騰で専門家が警鐘
中東情勢の一段とした緊迫化を受け、原油価格が急騰し、国内のガソリン価格が1リットルあたり200円を超える可能性が強まっている。専門家の試算によれば、この水準が続けば、過去最高価格を上回る事態も想定される。
原油価格の急騰とその背景
米国産WTI原油の先物価格は、週明けの9日朝(米東部時間8日夕)、一時1バレル=110ドル台に急騰した。これは前営業日から2割超の上昇であり、約3年8カ月ぶりの高値となる。この急騰は、米国とイスラエルによるイラン攻撃前の65ドル前後から比較すると、1.5倍以上の値上がりを意味する。
中東情勢の緊迫化が直接的な要因とされ、国際市場で原油供給への懸念が高まっている。この動きは、日経平均株価の一時的な大幅下落にも波及し、経済全体に影響を与えている。
国内ガソリン価格への影響試算
現在、国内のレギュラーガソリンの平均店頭価格は、昨年末に旧暫定税率(25.1円)が廃止された効果もあり、直近の2日時点で1リットルあたり158.5円と4年ぶりの安値をつけている。しかし、これは高騰前の原油価格が反映されたものであり、今後は上昇圧力が強まる見通しだ。
ニッセイ基礎研究所の上野剛志・主席エコノミストによると、原油価格が1バレル=110ドルで推移し、為替が現状並みの1ドル=158円で変わらないと仮定した場合、ガソリン価格は1リットル=205円になるという。これは、旧暫定税率廃止の効果が帳消しになるばかりか、過去最高価格の186.5円を超える計算となる。
さらに、原油価格が100ドルならガソリンが194円、90ドルだと183円になる試算も示されており、原油価格の動向が直接的にガソリン価格に影響を与えることが明らかだ。
エネルギー全体への波及リスク
原油価格の高騰は、ガソリン価格だけでなく、電気代やガス代など、エネルギー全体に波及する可能性が高い。2022年のロシアによるウクライナ侵攻時にも類似した価格上昇が観測されており、家計や企業活動への負担増が懸念される。
経済専門家は、中東情勢の今後の展開を注視する必要があると指摘。原油価格の安定化が図られない限り、国内のエネルギーコストが上昇し、インフレ圧力が高まるリスクがあると警告している。
この状況は、消費者にとって直接的な打撃となるため、政府や関連機関による対応が急がれる。エネルギー政策の見直しや、価格変動への備えが求められる段階に来ていると言えるだろう。



