経済産業省は5日に開催した審議会「原子力小委員会」において、廃炉が決定した原子力発電所のリプレース(建て替え)に関し、2040年代までに最大5基、2050年代までに最大14基とする目標案を提示した。これは東京電力福島第一原発事故後、初めて政府が具体的な数値目標を示すものとなる。
政府の狙いと業界の反応
政府は長期的な目標を明確にすることで、原子力業界における投資や人材育成・確保の予見性を高める狙いがある。しかし、業界側は膨大な建設コストや事故賠償リスクが課題であると主張しており、政府が対応に乗り出す方針を示したことで、「官製リプレース」の様相が強まっている。
エネルギー基本計画の転換
政府は2025年2月に閣議決定したエネルギー基本計画(エネ基)で「原発依存度の低減」という文言を削除し、原発を最大限活用する姿勢に転換。廃炉を決めた原子炉を持つ電力会社の原発敷地内でリプレースを進める方針を打ち出しており、今回の目標案はそれを具体化したものだ。
業界の期待と今後の焦点
業界はどのような期待を抱いていたのか。今後の政府の動きの焦点は何か。関係者の証言をもとに詳報する。
目標案の詳細
経産省が示した目標案では、2040年代までに最大5基、2050年代までに最大14基のリプレースを見込む。これにより、原子力発電の容量を維持し、脱炭素電源としての位置づけを強化する考えだ。
コストとリスクの課題
業界側は、リプレースに伴う建設コストの増大や、事故発生時の賠償責任リスクが事業採算性を圧迫すると指摘。政府はこれらの課題に対応するため、新たな支援制度やリスク分担の枠組みを検討する方針である。
今後の見通し
政府は今回の目標案を基に、原子力政策の具体化を進める。今後、審議会での議論を経て、正式な目標として決定される見通しだ。また、電力会社との協調や地域住民の理解を得るための取り組みも重要となる。



