インターステラテクノロジズ、小型ロケット「ZERO」の推進剤タンク試作品を公開
宇宙新興企業のインターステラテクノロジズ(IST)は、大樹町に本社を置き、人工衛星搭載用として開発を進めている小型ロケット「ZERO(ゼロ)」初号機で使用する推進剤タンクの試作品を、3月12日に公開しました。この試作品は、今後実施される各種試験で問題が確認されなければ、実際の打ち上げに使用されるタンクの製造へと進む予定です。
軽量化と環境配慮を両立した設計
公開された試作品は、1段目用の推進剤タンクで、長さは約9メートルあります。外壁にはアルミ合金が採用されており、厚さを数ミリに抑えることで大幅な軽量化を実現しています。打ち上げ時には、このタンクを2基装備する計画で、一方は燃焼に必要な液体酸素用、もう一方は燃料用として使用されます。
燃料には、家畜ふん尿を原料とした液化バイオメタンを採用する方針です。これは、従来の化石燃料に比べて環境負荷を低減できる点が特徴で、持続可能な宇宙開発への取り組みとして注目されています。
打ち上げ計画と射場整備の進捗
ZEROは2段式ロケットで、全長32メートル、直径2.3メートルのサイズを誇ります。打ち上げは、大樹町内にある北海道スペースポート(HOSPO)の射場「LC1」から実施されることが決定しており、国内外の人工衛星7基などを搭載した初号機の打ち上げが予定されています。
射場「LC1」の整備については、町が担当する射点とロケットの組み立て棟が、9月に完成する見込みです。一方、ISTが進める燃料関連のプラント設備は、2026年度内に整備を終える計画で、ZEROの実際の打ち上げは、これらの整備が完了した以降に行われるとされています。
今後の展望と試験の重要性
試作品の公開後、ISTは各種試験を実施し、安全性や性能を確認する予定です。これらの試験結果が良好であれば、本格的な製造段階へ移行し、2026年以降の打ち上げ実現に向けて大きく前進することになります。
このプロジェクトは、北海道における宇宙産業の活性化にも寄与することが期待されており、地域経済への波及効果も注目されています。インターステラテクノロジズの挑戦は、日本の小型ロケット開発の新たな一歩として、国内外から関心を集めています。



