和歌山の公立高校に直径3メートルパラボラアンテナ設置、宇宙教育を革新
公立高に巨大パラボラアンテナ、宇宙データで授業活用

公立高校の屋上に巨大パラボラアンテナ、宇宙データで教育を革新

和歌山県立串本古座高校(串本町)の校舎屋上に、直径3メートルのパラボラアンテナが設置されました。このアンテナは、高度約800キロを周回する人工衛星のデータを受信し、授業や部活動で活用される予定です。同校は全国の公立高校として初めて宇宙専門の「宇宙探究コース」を設けており、この取り組みは宇宙教育の新たな試みとして注目を集めています。

アンテナの提供と技術支援

アンテナを製作・提供したのは、和歌山大学のパラボラアンテナ管理を担う機械金属加工業「赤井工作所」(岩出市)です。同社は宇宙教育活動の推進を目的に、県教育委員会を通じてアンテナを無償で貸与しました。さらに、自動で人工衛星を追尾するシステムや、受信データを解析・画像化するソフトウェアも提供し、校舎3階には「通信管制室」を整備。モニター画面や操作機器を設置し、本格的な運用環境を構築しています。

授業での活用と生徒の反応

パラボラアンテナは昨年12月に設置され、今年4月から3年生の授業「衛星データ分析と活用」で本格的に使用を開始します。授業では、地球観測衛星のデータを受信して雲や台風の動きを分析したり、人工衛星の軌道を確認したりする計画です。1月下旬には「パラボラアンテナお披露目会」が開催され、生徒たちはアンテナが受信した地球観測衛星データをモニターで確認。日本列島周辺の雲の動きや地表温度の分布変化に熱心に見入っていました。

宇宙探究コース2年の生徒(17歳)は、「ほぼリアルタイムで台風の様子などが確認できるため、自分たちで気象を予測することもできそうだ。国際宇宙ステーションの通過を追えると聞いており、宇宙を身近に感じられるようになると思う」と語り、期待を寄せています。

将来の展望と地域連携

県教育委員会などによると、将来的には県内の高校生たちが連携して設計・開発した人工衛星を、串本町の発射場から打ち上げられる民間の小型ロケット「カイロス」に搭載することも検討されています。串本古座高校では、アンテナを用いて衛星の状態を監視する運用を見据え、授業やクラブ活動をさらに活発化させていく方針です。このプロジェクトは、地域の宇宙産業と教育の連携を深め、次世代の科学技術人材育成に貢献することが期待されています。