小型ロケット「カイロス」3号機、5日午前11時10分に再挑戦へ 4日は緊急停止で3回目の延期
宇宙新興企業スペースワン(東京)は4日、和歌山県串本町の同社発射場で予定していた小型ロケット「カイロス」3号機(全長18メートル)の打ち上げを直前で中止した。安全のための緊急停止システムが作動したためで、同社は機体に異常はないと説明。新たに5日午前11時10分に改めて打ち上げを実施すると発表した。
緊急停止の原因は測位衛星の電波受信状態
同社が4日午後に串本町内で開いた記者会見によると、中止の直接的な原因は、機体の位置を把握する測位衛星からの電波の受信状態が、打ち上げ時に悪化したことにある。これにより、打ち上げの約30秒前に安全システムが自動的に作動し、打ち上げプロセスが停止された。
記者会見に出席した関野展弘・同社副社長は「機体自体には全く問題がありません。5日は気象条件も4日と同様で、打ち上げ時刻を10分程度ずらすことで、測位衛星からの電波受信状態が改善される見込みです」と述べ、再挑戦への自信を示した。
専門家からは事前対応への指摘も
この事態について、森合秀樹・金沢工業大学教授(宇宙推進工学)は「ロケットを確実に打ち上げる上では、安全を最優先した今回の判断は妥当です。しかし、測位衛星の電波受信状態のような、ある程度予測可能な事象に対しては、事前にもっと綿密な対応策を検討しておくことが望ましかったのではないでしょうか」と指摘している。
成功すれば民間単独開発ロケットとして国内初の快挙
今回打ち上げられる「カイロス」3号機には、小型人工衛星5基が搭載されている。これらの衛星を予定の軌道に投入することができれば、民間企業が単独で開発したロケットとして、国内で初めての成功事例となる。同ロケットの打ち上げは当初、2月25日に予定されていたが、天候不良を理由に2回延期されており、今回の4日の中止で3回目の延期となった経緯がある。
和歌山県串本町の発射場は、日本の宇宙開発における新たな拠点として注目を集めており、今回の打ち上げ成功は、民間宇宙産業の成長にとって重要なマイルストーンとなる可能性を秘めている。
