NTT東日本、災害時の自治体対応をAIで迅速化する新手法を開発
NTT東日本の渋谷直樹社長は、朝日新聞のインタビューにおいて、災害発生時に自治体のどの部署が対応すべきかを生成AI(人工知能)を用いて人間よりも迅速かつ正確に判断する新たな手法を開発したことを明らかにしました。この技術は将来的に避難指示や人身救助などにも応用される見込みです。
東日本大震災の経験から生まれた防災への取り組み
渋谷社長は2011年3月11日に発生した東日本大震災の際、NTT東日本の福島支店長として停電した電話局の復旧作業に従事しました。この経験から「災害時にリーダーシップを発揮する自治体との連携強化の重要性を痛感した」と述べ、2025年4月には社内に「防災研究所」を設立。AIを活用した防災サービスの研究開発を推進してきました。
自治体の災害対応における課題とAIの活用
災害時には、自治体が発生した問題にどの部署が対応するかを迅速に決定する必要があります。しかし、自治体内の複数の部署や外部機関が関与するケースも多く、判断に時間がかかることが少なくありません。この課題を解決するため、防災研究所などが開発した新手法では、具体的な災害事例をAIに入力し、対応すべき関係機関を短時間で特定します。
AIによる判断の速度と精度が大幅に向上
開発された手法では、ある自治体での被災を想定し、「小学校の避難所で仮設トイレの設置が遅れ、衛生状況が悪化している」といった具体例93件をAIに学習させました。その結果、34の関係機関のうちどこが対応すべきかをわずか2分半で出力することに成功。人間による訓練データと比較して44倍の速さで判断を導き出し、精度も高かったことが確認されています。
今後の展望と防災への貢献
NTT東日本は今後、AIにさらなる災害事例や地形データなどを学習させ、判断精度の向上を図る計画です。この技術は自治体の災害対応を効率化し、迅速な避難指示や救助活動に役立つことが期待されています。渋谷社長は「経験を基にした防災研究を深化させ、社会の安全安心に貢献したい」と意欲を語っています。



