弥生人の死生観に迫る特別展「葬る」橿考研博で開幕 西日本の墓出土品など
弥生人の死生観に迫る特別展「葬る」橿考研博で開幕

弥生時代の人々は死をどのように捉えていたのか。農耕や金属器生産の開始、各地での集権化が進んだ激動の時代を生きた人々の死生観に、考古資料から迫る春季特別展「葬る 弥生人は墓に何を託したか?」が、奈良県橿原市畝傍町の県立橿原考古学研究所(橿考研)付属博物館で開かれている。本展は朝日新聞社などが後援する。

出土品783点が一堂に

展示品は、弥生時代の大規模な環壕集落跡で知られる佐賀県の吉野ケ里遺跡で見つかった銅剣など、国の重要文化財を含む計783点。奈良、京都、大阪、岡山、山口、福岡、佐賀の7府県の遺跡から出土した品々に加え、タイの遺物も並ぶ。まさに西日本を代表する弥生遺物の競演だ。

海を越えた交易の証

見どころの一つは、海を越えて日本列島に運ばれたとみられる出土品群だ。山口県の土井ケ浜遺跡で見つかった南西諸島産のイモガイなどで作られた貝輪や、朝鮮半島産とみられるアマゾナイトと呼ばれる天然石から作られた小玉は、当時の広域な交流を示す貴重な資料である。これらの品々は、弥生人が死後の世界にも豊かさや権威を持ち込もうとした証とも考えられる。

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「埴輪の起源」特殊器台も

また、岡山県倉敷市にある楯築墳丘墓から見つかった特殊器台も注目を集める。これは後の古墳時代に出現する埴輪の起源とされ、弥生時代後期の祭祀や葬送儀礼の一端を物語る。器台の上に何を載せ、どのような儀式が行われたのか、想像をかき立てる。

展示構成と見どころ

展示は「弥生社会の始まりと墓」「海を越えた交流と墓」「王権の萌芽と墓」の三部構成。各コーナーでは、出土品の配置や副葬品の種類から、墓に込められたメッセージを読み解く。特に、吉野ケ里遺跡の銅剣は、当時の首長層の武力と権威を象徴するものとして、多くの来場者の関心を集めている。

本展は、弥生人が墓に託した願いや死生観を、最新の研究成果を交えながら紹介する貴重な機会となっている。会期は6月まで。詳細は橿考研付属博物館の公式サイトで確認できる。

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