政府は、生成AI(人工知能)による著作権侵害を防ぐため、AI開発者に対し、学習データに著作物を使用する際に権利者へ事前通知することを義務付ける方針を固めた。年内にも関連法の改正案を国会に提出し、早期の法制化を目指す。
事前通知の内容と対象
事前通知では、使用する著作物の種類や範囲、目的などを明示するよう求める。権利者が通知を受け取り、許可しない場合は、AI開発者はその著作物を学習データとして使用できなくなる。対象となるのは、テキストや画像、音楽など、生成AIの学習に広く使われる著作物だ。
背景と狙い
生成AIの急速な普及に伴い、無断で著作物を学習データとして利用するケースが増加。権利者からは「無断利用で収益が奪われる」との懸念が強まっていた。政府は、新たなルールで権利保護とAI開発のバランスを図る方針だ。
具体的には、著作権法の改正を検討し、AI開発者に対して「学習データに著作物を含める場合は、権利者に事前通知し、許諾を得る努力義務を課す」としている。違反した場合の罰則も設ける方向で調整する。
関係者の反応
権利者団体は「画期的な一歩」と歓迎する一方、AI開発者からは「開発のスピードが落ちる」との声も上がる。政府は、パブリックコメントなどを通じて、利害関係者の意見を聞きながら制度設計を進める。
この方針は、4月28日に開かれた政府の知的財産戦略本部で示された。今後、専門家による検討会を設置し、詳細を詰める。



