青色LED光が骨・軟部腫瘍の増殖を抑制 徳島大が新たながん治療法を研究中
青色LED光で骨・軟部腫瘍抑制 徳島大が新治療法研究 (31.03.2026)

青色LED光が骨・軟部腫瘍の増殖抑制に効果 徳島大学が革新的ながん治療法を開発中

徳島大学大学院整形外科の研究チームが、青色LED光を用いた新たながん治療法の研究を進めている。この研究では、青色LED光が骨や筋肉に発生する腫瘍、いわゆる骨・軟部腫瘍の増殖を抑制する効果が確認されており、患者の命と日常生活の質を守る安全な治療法の確立を目指している。

悪性腫瘍の治療課題と青色LED光の可能性

悪性の骨・軟部腫瘍は「肉腫」とも呼ばれ、年間の発症率は10万人あたり3~4人と稀ながんである。従来の治療法では、根治のために正常な組織まで広範囲に切除する必要があり、薬物療法の選択肢も限られている。西庄俊彦准教授(48歳、運動機能外科学)は、「特に悪性のものは進行すると腕や脚の切断にもつながる危険性がある。安全性の高い治療法を確立し、患者の命と『動ける日常』を守りたい」と語る。

研究チームは2019年から、細菌感染の抑制や皮膚疾患の治療など医療分野で既に活用されている青色LED光に着目。がん細胞への応用可能性を探る研究を開始した。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

実験で確認された抑制効果と安全性

検証実験では、がん細胞株をシャーレで培養し、その下から青色LED光を照射。細胞の増殖抑制と細胞死の誘導を調べた。その結果、軟部腫瘍の一種である滑膜肉腫では、48時間の照射で細胞増殖を50~60%に抑制し、72時間照射では70~80%の細胞死を引き起こすことが判明した。

さらに、骨や軟部の肉腫は約100種類存在するが、研究チームは以下の腫瘍でも抑制効果を確認している:

  • 軟部腫瘍:脂肪肉腫、粘液線維肉腫、未分化多形肉腫
  • 骨腫瘍:骨肉腫

重要な点として、これらの実験では正常細胞への悪影響は確認されず、青色LED光の安全性が示唆されている。また、学内外の研究では、白血病や大腸がん、膵臓がん、膀胱がんなど他部位のがん治療でも有効性と安全性が報告されており、幅広い応用が期待される。

臨床応用に向けた今後の研究計画

研究チームは現在、マウスを用いた動物実験を実施し、抗腫瘍効果の確認を進めている。将来的には、体の奥深くにある患部に光を届けるため、カテーテルや内視鏡と組み合わせた医療用LED照射装置の開発、または青色LEDを体内に埋め込む方法の研究にも取り組む予定だ。

西庄准教授は、「この研究が進むことで、患者の治療選択肢が増え、命を守りながら運動機能も温存できる可能性が高まる。私たちはその実現を追求したい」と強調している。

クラウドファンディングで研究資金を募集中

臨床応用に向けた研究を加速させるため、徳島大学支援機構はクラウドファンディングサイト「おつくる」で寄付を募集している。目標金額は500万円で、期限は5月1日まで。資金はがん細胞株の購入や実験費などに充てられ、研究の早期進展が期待されている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ