時差ぼけ回復薬の開発に新たな可能性
体内時計を進める化合物を実験で発見したと、大阪大学などの研究チームが2026年4月1日までに米科学誌に発表しました。この発見は、時差ぼけの回復を促す薬剤開発への道を開くものとして注目を集めています。
「Mic―628」が体内時計を調整
研究チームが発見した化合物「Mic―628」は、時計遺伝子に特異的に作用する特性を持っています。この化合物は、脳の中枢で全身を制御する遺伝子と、肺などの末梢臓器にある遺伝子の両方に働きかけることが可能です。
実験では、マウスにこの化合物を与える時刻に関係なく、いつでも体内時計を約2時間早められることが明らかになりました。これは、時差ぼけのメカニズムに直接アプローチする画期的な発見と言えます。
時差ぼけ回復期間が大幅短縮
研究チームは、6時間分の時差ぼけ状態にしたマウスに「Mic―628」を溶かした液体を与える実験を実施しました。その結果、回復まで通常約7日かかるところが、わずか4日にまで短縮されることが確認されました。
時差ぼけは体内時計をつかさどる時計遺伝子のずれが原因で発生します。人間は約25時間周期の体内時計を持っており、日光の刺激によってリセットされます。しかし、日本から東方向(例えば米国)へ移動した場合、体が夜だと思っている時間帯に日光を浴びることになり、体内時計のサイクルが崩れやすくなります。
睡眠障害への応用も期待
この化合物は時差ぼけしていない状態で与えても体内時計を2時間早める効果があるため、深夜勤務などによる睡眠障害への応用も期待されています。研究チームは「薬への発展も期待できる」とコメントしており、2026年以降の臨床研究や実用化に向けた動きが注目されます。
時差ぼけに悩む旅行者や国際ビジネス関係者、さらには交代制勤務者にとって、この研究成果は大きな希望となる可能性を秘めています。今後は、人間への安全性や効果を確認する研究が進められる見込みです。



