根室のラッコ、潜水時間はアラスカより短く 京都大教授が講演
根室のラッコ、潜水時間はアラスカより短く

北海道根室市で5日、道東地方におけるラッコの生態調査を進めている京都大学野生動物研究センターの三谷曜子教授による講演会が開催されました。三谷教授は、根室に生息するラッコの潜水時間がアラスカの個体に比べて短いことを明らかにし、これは根室の海域に水産資源が豊富に存在する証拠であると説明しました。

ラッコの生態と根室の状況

ラッコは北太平洋にのみ生息する哺乳類で、環境省のレッドリストでは絶滅危惧IA類(絶滅の危険性が極めて高い)に分類されています。根室ではユルリ島やモユルリ島周辺で約25頭が確認されています。

三谷教授は、2018年から道東で調査を開始。北海道内では1996年からラッコの存在が確認され、北方四島で増加した群れの一部が道東に移動してきたと解説しました。「2014年に繁殖が確認され、根室がラッコの生息地となった」と述べています。

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潜水時間の比較

調査によると、ラッコの潜水時間はアラスカの個体が平均1.9分であるのに対し、根室の個体は平均0.7分でした。三谷教授は「根室は餌が豊富であると考えられる」と指摘。餌の内容を調べたところ、二枚貝を多く捕食していることが判明しました。ウニも好んで食べるとされていますが、2022年の調査では赤潮の影響で全く食べていなかったといいます。

人との共存に向けて

ラッコと人間の関係について、三谷教授は「絶滅危惧種から脱却するためには、ラッコについて学び、ともに生きる道を探るべきだ。根室はラッコも人も引きつける素敵な場所だ」と強調しました。今後の生息数増加の可能性については「最大の要素は子育てができる環境が整っているかどうか。そのため、道内でどこまで増えるかはわからない」と述べました。

講演会場では、過去に市内で採集されたラッコの毛皮や赤ちゃんの剥製が展示され、参加者は手で触れながらその魅力を感じていました。

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