矢作建設が全社員参加でAI活用を推進 安全管理から目標設定まで幅広く導入
矢作建設が全社員参加でAI活用を推進 安全管理から目標設定まで (08.03.2026)

全社員がAIツールを駆使 矢作建設が進めるデジタル変革

ゼネコンの矢作建設工業(名古屋市東区)が、人工知能(AI)を幅広い業務に採り入れ、全社員参加による活用を推進している。昨年秋には、全社員にAIツールを使用する権限を付与し、社員のアイデアを生かしながら試行錯誤を重ねている。これは、深刻化する人手不足への備えとしても位置づけられ、建設業界における新たな取り組みとして注目を集めている。

安全管理にAIを導入 労働災害の防止に効果

名古屋市中区錦3丁目の再開発現場では、毎日夕方に施工会社の職長らを集め、翌日の作業についての打ち合わせが行われている。ここで活用されているのが「AIあんぜん指示ボット」だ。このシステムは、過去の労働災害事例を分析し、翌日の作業内容に合わせて関連する事故情報を自動的に提供する。

例えば、鉄筋の上を歩く作業が予定されている場合、担当社員の画面には9年前に発生した事故のスライドが表示される。その事故では、58歳の型枠大工が足元の鉄筋につまずいて転倒し、左手を負傷して3日間の休業を余儀なくされた。この情報をもとに、現場では「メッシュロード」と呼ばれる金網を敷く対策を確認し、つまずきの原因になりそうなものを置かないよう徹底する。

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目標設定にもAIを応用 業務効率化を目指す

矢作建設のAI活用は、安全管理だけに留まらない。同社は、プロジェクトの目標設定や進捗管理にもAIを導入し、データに基づいた意思決定を支援している。社員はAIツールを活用して、工程の最適化やコスト削減のアイデアを提案することが可能だ。

全社員が参加する体制により、現場の知見とAIの分析力を組み合わせ、より実践的な改善策が生まれている。これにより、従来の経験則に頼りがちだった建設業務を、科学的なアプローチで革新しようとしている。

人手不足対策としての期待 建設業界の未来像

建設業界では、高齢化や若年層の不足が深刻化しており、AI活用はその解決策の一つとして期待されている。矢作建設の取り組みは、AIによって業務を効率化し、限られた人的資源を最大限に活用することを目指している。

試行錯誤を重ねながらも、社員一人ひとりがAIツールに慣れ、日常業務に組み込むことで、長期的な競争力の強化を図っている。このような全社的なデジタル変革は、他の建設会社にも影響を与える可能性が高い。

矢作建設のAI活用は、安全管理から目標設定まで多岐にわたる。全社員が参加するこの取り組みは、建設業界の新しい標準となるかもしれない。今後も、AI技術の進化とともに、さらなる業務改善が期待される。

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