主要7カ国(G7)首脳は10日、広島市で開幕したサミットで、人工知能(AI)に関する初の首脳声明を採択した。声明では、急速に普及する生成AIなどのリスクに対応するため、各国が協調して規制枠組みを構築する方針を明確にした。
AI規制で国際協調を強化
声明では、AIの開発と利用に際して、民主的価値観や人権、透明性、説明責任を尊重する必要性を強調。特に、誤情報の拡散やプライバシー侵害、雇用への影響など、新たなリスクに対処するため、リスクベースのアプローチを採用することを確認した。
具体的な取り組み
- リスク評価と分類:AIシステムのリスクレベルに応じた規制を導入し、高リスクのAIには厳格な要件を課す。
- 透明性の確保:AIの開発者は、学習データやアルゴリズムの透明性を確保し、監査可能な仕組みを構築する。
- 国際的な基準策定:G7として共通の基準を策定し、国際機関との連携を強化する。
また、声明では、AIの恩恵を最大限に活用するため、研究開発への投資や人材育成の重要性も指摘。特に、医療や気候変動対策などの分野での活用を促進する方針だ。
日本のリーダーシップ
議長国を務める日本は、AI規制で主導的な役割を果たすことを目指す。岸田文雄首相は記者会見で、「G7として初めてAIに関する首脳声明を採択できたことは歴史的意義がある。今後も国際社会をリードしていく」と述べた。
一方、声明には法的拘束力はなく、各国の国内規制に委ねられる部分も多い。今後の課題として、規制の実効性や、中国など非G7諸国との協調が挙げられる。
専門家の見解
AI政策に詳しい専門家は、「G7が一致団結して規制に乗り出したことは評価できるが、具体的な規制内容は各国の事情に左右される。日本は、規制とイノベーションのバランスを取ることが求められる」と指摘する。
今回の声明を受け、日本政府は年内にAI規制の基本方針を策定し、来年の通常国会に関連法案を提出する方針だ。また、G7は今後も定期的にAI政策を協議する場を設けることで合意した。



