1970年に開催された大阪万博で大きな話題を集めた「人間洗濯機」が、国立科学博物館(東京・上野)で展示される見通しとなった。この機械を保管していたパナソニックホールディングス(HD)が今年に入り、同博物館に寄贈した。同博物館は「未来に向けて挑戦したものづくりの姿勢を象徴する重要な資料」と位置づけ、常設展示を検討している。
「人間洗濯機」とは
「人間洗濯機」の正式名称は「ウルトラソニックバス」で、旧三洋電機が開発し、万博のサンヨー館で展示された。大きさは幅2メートル、高さ1.8メートル。超音波によって微細な気泡を大量に発生させ、全身の汚れを落とす仕組みで、当時としては画期的なアイデアとして注目を浴びた。
寄贈の経緯
三洋電機を子会社化したパナソニックHDは、自社の展示施設「ものづくりイズム館」(大阪府門真市)でこの機械を展示していた。しかし、施設の老朽化に伴い維持管理が難しくなり、昨年12月に閉館。70年万博のレガシー(遺産)を後世に残すため、今年1月に国立科学博物館へ寄贈した。
国立科学博物館の役割
同博物館は日本の自然史と科学技術史を対象とし、日本の産業技術に関する製品や資料約4万点を収蔵している。一部は一般公開されており、同博物館の前島正裕・産業技術史資料情報センター長は「人間洗濯機は高度経済成長期のエンジニアが新しい技術に挑戦した証しであり、失われてしまうのは惜しい。近いうちに展示できるようにしたい」とコメントしている。



