東京都は10日、保育所の入所選考に人工知能(AI)を活用し、待機児童の解消を目指す方針を明らかにした。都は現在、約1000人の待機児童がいるが、AIの導入により、保護者の希望に合った施設を効率的にマッチングできるようにする。
AI導入の背景
現在の入所選考は、保護者が複数の施設に申し込み、自治体が点数化して調整しているが、手作業が多く、ミスや不公平感が生じるケースがあった。AIを活用することで、保護者の勤務地や希望時間帯、施設の空き状況などを考慮し、最適な組み合わせを自動で提案する。
実証実験の計画
都は今年度中に、一部の区市町村で実証実験を開始し、2027年度からの本格運用を目指す。実験では、保護者の申し込みデータをもとにAIが仮選考を行い、その結果を従来の方法と比較検証する。都の担当者は「AIにより、より公平で効率的な選考が可能になる。待機児童の早期解消につなげたい」と話している。
また、AIの導入に伴い、個人情報の取り扱いには細心の注意を払うとしている。保護者の同意を得た上でデータを活用し、セキュリティ対策を強化する方針だ。
保育業界の反応
保育関係者からは、期待の声が上がる一方、懸念も出ている。ある保育園の園長は「AIが入所を決めることに不安を感じる保護者もいるだろう。透明性のある運用が求められる」と指摘する。都は、AIの判断基準を公開し、保護者への説明を徹底するとしている。
東京都の待機児童数は、近年減少傾向にあるが、依然として解消には至っていない。AIの導入が、待機児童問題の切り札となるか注目される。



