政府は、中小企業における人工知能(AI)の導入を促進するための新たな支援制度を創設する方針を固めた。業務効率化や生産性向上を図り、人手不足の解消にもつなげる狙いがある。2026年度からの開始を予定しており、関連経費を2025年度の補正予算案に盛り込む方向で調整している。
支援制度の概要
新制度では、AI導入にかかる費用の一部を補助するほか、専門家の派遣やセミナー開催などを通じて、中小企業のデジタル化を後押しする。補助率は中小企業で最大2分の1、小規模事業者で最大3分の2を想定。導入効果の高い分野として、顧客対応の自動化や在庫管理、需要予測などを挙げている。
背景と課題
中小企業の多くは、人手不足や業務の非効率さに悩んでおり、AI活用が有効な解決策として期待されている。しかし、導入コストやノウハウ不足が障壁となっている。政府は、新制度によりこうした課題を克服し、中小企業の競争力強化につなげたい考えだ。
経済産業省が実施した調査によると、AIを導入している中小企業の割合は約1割にとどまる。政府は、新制度を通じて2026年度までにこの割合を3割程度に引き上げる目標を掲げている。
専門家の見解
中小企業のデジタル化に詳しい専門家は、「AI導入には初期投資だけでなく、運用や改善のための人材育成も重要だ。単なる補助金だけでなく、継続的なサポートが必要」と指摘する。政府は、専門家派遣や相談窓口の設置など、導入後のフォローアップにも力を入れる方針だ。
今後のスケジュール
政府は、2025年度の補正予算案に新制度の関連経費を計上し、早期の成立を目指す。制度開始は2026年度を予定しており、詳細な要件や申請方法は今後詰められる。中小企業庁は、周知徹底のため、全国の商工会議所や業界団体と連携して説明会を開催する予定だ。



