映画『急に具合が悪くなる』で主演を務め、第79回カンヌ国際映画祭において女優賞を共同受賞した岡本多緒さん(41)とビルジニー・エフィラさん(49)が26日、濱口竜介監督(47)と共に東京都千代田区の日本記者クラブで記者会見を開いた。
岡本多緒さん、日本人初の快挙に「現実味湧かない」
岡本さんは、同映画祭で日本人として初めて女優賞を受賞したことについて、「まだ現実味が湧いていません。おそらく一生湧くことはないのではないかと感じています。しかし、この映画を多くの方に観ていただくきっかけになれば、それほど嬉しいことはありません」と喜びを語った。
また、濱口監督の演出についてエフィラさんは、「少しずつ資料を渡され、その人物の内部へと徐々に入っていく感覚がありました。次第に心理的な深みへと到達していく感覚があった」と振り返った。
濱口監督、俳陣を称賛「感動して泣いた」
濱口監督は2人の演技について、「人間性が素晴らしい。互いに支え合い、感情を与え合うような演技をしてくれた」と高く評価。「私も撮影現場で感動して泣いてしまいました」と明かした。
映画は、哲学者の宮野真生子さんと人類学者の磯野真穂さんが交わした往復書簡を収めた共著が原作。介護施設のディレクター(エフィラさん)とがん患者の演出家(岡本さん)の交流を描く。公開は6月19日を予定している。
カンヌ国際映画祭での受賞の意義
今回の受賞は、日本映画界にとっても大きな意義を持つ。カンヌ国際映画祭で日本人が女優賞を受賞するのは初めてのことであり、日本の映画界の国際的な評価を高めるものとなった。岡本さんとエフィラさんの演技は、審査員からも高い評価を受けた。
会見では、2人の女優が抱き合って喜ぶ場面も見られ、会場は温かい雰囲気に包まれた。濱口監督は「この作品は、人間の生と死、そして絆を描いたものです。2人の素晴らしい演技によって、それがより深く伝わる作品になった」と語った。
映画『急に具合が悪くなる』は、6月19日より全国公開される。原作のファンからも期待が寄せられている。



