第76回ベルリン国際映画祭が開幕、多様な作品が金熊賞を競う
第76回ベルリン国際映画祭が2月12日(日本時間13日未明)に開幕しました。世界三大映画祭の一つとして知られるこのイベントでは、最高賞の金熊賞を目指して、制作国やジャンルが多様な22作品がコンペティション部門に出品されています。日本からは、日本画家である四宮義俊監督が初めて手掛けた長編アニメーション「花緑青が明ける日に」が選出され、国際的な注目を集めています。
審査委員長ヴィム・ヴェンダース監督が映画の力を語る
開幕に先立って開催された審査委員記者会見では、審査委員長を務めるドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が登壇しました。戦火が続く現代世界において映画が果たす役割について問われたヴェンダース監督は、「映画は世界を変えられる。政治家の思想を直接変えることは難しいかもしれませんが、人々がどのように生きるべきかという考え方を変える力は確かにある」と熱く語りました。
さらに、社会派作品が集まる傾向にあるベルリン映画祭について、ヴェンダース監督は「ベルリンでは、他のどの映画祭よりも世界の様々な側面を映し出すことができる。作り手の個性も多様で、これほど多様性が感じられる映画祭は他にない」と期待を込めて述べました。
日本出身のHIKARI監督も審査委員として参加
審査委員には、日本出身で米国を拠点とするHIKARI監督も加わっています。HIKARI監督は、脳性まひの女性の成長を描いた作品「37セカンズ」が2019年の同映画祭パノラマ部門で観客賞を受賞した実績を持ち、会見では「戻ってこられてうれしい」と笑顔で話しました。
名誉金熊賞を受賞したミシェル・ヨーが開幕式でスピーチ
小雨が降る中、レッドカーペットには、映画界への貢献を称える名誉金熊賞を受賞した俳優ミシェル・ヨーが登場し、華やかさを添えました。開幕式でトロフィーを受け取ったヨーは、「この栄誉を、物語が私たちをつなぐこの空間を守り続けるための招待状として受け止めます」と感動的なスピーチを行いました。
日本作品の出品状況と今後の展開
コンペティション部門以外でも、日本作品が多数出品されています。パノラマ部門には内山拓也監督の「しびれ」、フォーラム部門には岩崎裕介監督の「チルド」や吉開菜央監督の「まさゆめ」などが選ばれ、国際的な評価を期待されています。
ベルリン国際映画祭は、過去に宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」が金熊賞を受賞し、2023年には新海誠監督の「すずめの戸締まり」がコンペティション部門に選出されるなど、日本のアニメ作品を世界に発信する重要なプラットフォームとしての役割を果たしてきました。
コンペティション部門の受賞結果は2月21日夜(日本時間22日未明)に発表される予定です。世界中の映画ファンが注目する中、どの作品が栄誉に輝くのか、期待が高まっています。