伊勢崎市の家族3人死亡事故、危険運転で懲役20年の判決…飲酒運転を認定
伊勢崎市家族3人死亡事故、危険運転で懲役20年判決 (13.02.2026)

伊勢崎市の死亡事故で懲役20年判決、飲酒運転を厳しく認定

群馬県伊勢崎市の国道17号で2024年5月に発生した交通事故で、家族3人が死亡した事件について、前橋地裁は13日、危険運転致死傷罪に問われた元運転手に法定刑上限の懲役20年の判決を言い渡した。高橋正幸裁判長は、被告の飲酒運転を明確に認定し、遺族の悲痛な思いを踏まえた厳しい結論を示した。

事故の詳細と裁判の争点

判決によると、被告は2024年5月6日、アルコールの影響下でトラックを運転し、中央分離帯を乗り越えて対向車線の乗用車に衝突。前橋市の会社員塚越寛人さん(当時26歳)、その長男の湊斗ちゃん(同2歳)、塚越さんの父である正宏さん(同53歳)の3人が死亡する惨事となった。裁判の主な争点は、被告の運転がアルコールにより正常な判断が困難な危険運転に該当するか否かであった。

被告は公判で飲酒を否定し、弁護側も過失運転の範囲と主張したが、地裁は以下の証拠を基に反論した。

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  • トラック内から焼酎の空き容器2本が発見されたこと。
  • 事故後の血中アルコール濃度が高く、少なくとも血液1ミリ・リットルあたり1.4ミリ・グラムと認定されたこと。

これにより、地裁は「アルコールの影響で注意能力や判断能力が著しく鈍麻し、道路状況に応じた運転操作が困難な状態だった」と結論付け、危険運転の成立を認めた。

判決の背景と遺族の反応

判決では、事故の結果を「3世代の尊い生命を失わせ、極めて甚大」と強調。被告が飲酒を否定し続けたことについて、「不合理な弁解に終始しており、犯した罪と真摯に向き合っているとは言いがたい」と非難し、法定刑上限の懲役20年が相当と判断した。この判決は、危険運転の適用要件を巡る法制審議会の動向とも関連し、アルコール濃度の数値基準を新設する改正要綱が答申された直後の事例として注目されている。

遺族は閉廷後、前橋市内で記者会見を開き、判決への思いを語った。塚越さんの妻は「私たちの思いが通じた」と述べ、兄は「20年の判決が出て安心した」と話した。遺族は初公判から判決まで全9回の公判を傍聴し、証拠を直接確認することで闘いの正当性を確信したという。祖母は「罪の重さをしっかり受け止めて償ってほしい」と被告に求め、母親は「被告が最後まで飲酒を認めなかったのは悔しい」と心情を明かした。

専門家の見解と社会的意義

東京都立大学の星周一郎教授(刑事法)は、この判決について「事故後の血中アルコール濃度から事故当時の数値を認定し、正常な判断による運転ではなかったことを丁寧に判断した」と評価。さらに、「アルコール数値の認定に関して、一つの事例となるだろう」と指摘し、今後の司法判断への影響を予測した。

この事件は、当初は過失運転致死傷罪で起訴されていたが、遺族の署名活動などを受けて訴因が危険運転致死傷罪に変更された経緯がある。判決は、飲酒運転の危険性を社会に強く訴えかけるとともに、遺族の努力が司法に反映されたケースとして、交通安全への警鐘を鳴らしている。

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