クマの出没が相次ぎ観光需要が低迷する中、北秋田まちづくり観光協会とJR東日本秋田支社は10日、秋田内陸線を活用した日帰り視察を実施した。同支社東能代統括センターの運転士や車掌ら14人が参加し、自然と共生するマタギ文化について学び、模擬銃を使った狩猟体験も行った。
マタギ号で往復
一行は北秋田市の鷹巣駅と阿仁合駅間を往復する貸し切り列車「マタギ号」に乗車。車内では、地元の地域おこし協力隊で、同市阿仁比立内在住の16代目マタギ、松橋翔さん(29)が沿線の四季や山の恵み、最近のクマ対策について説明した。
江戸時代からの伝統
松橋さんは、約350年前の江戸時代に火縄銃でクマ猟を行った巻き狩りの歴史や、イタズ(クマ)、シカリ(頭領)などの山言葉を解説。「クマの活動時間や食性(草食か肉食か)は地域によって変わる」と述べ、クマとの遭遇を避けるための具体的な対応を伝えた。
阿仁河川公園では、くくりワナの設置方法や、模擬銃を使ったプチ捕獲体験も実施。参加者は実際に手を動かしながらマタギの技術を学んだ。
観光誘導への活用
同支社県北地域共創オフィスの夏井五月室長は「マタギの豊かな知恵やクマの対処法を正しく学ぶことで、観光誘導にも生かせる」と話した。また、JRと内陸線は商品開発や情報発信に向けた意見交換も行い、今後の連携強化を図った。



