近畿大生が福島・川俣町と連携、震災15年を経て特産品開発で地域復興を支援
近畿大生が福島・川俣町と連携、特産品開発で復興支援

近畿大生が福島・川俣町と連携、震災15年を経て特産品開発で地域復興を支援

近畿大学農学部(奈良市)の学生たちが、2011年の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故で被害を受けた福島県川俣町と共同で、地域資源を活用した特産品の開発に取り組んでいます。震災から15年を経た今も、復興への歩みは続いており、学生たちは「まだできることはある」と力を込めて活動を続けています。

長年にわたる連携と特産品開発の歩み

同大学は震災直後の2012年、復興に取り組む川俣町の支援のためにプロジェクトを発足させました。その後もさまざまな形で連携を深め、2018年度からは特産品開発が本格化しています。これまでに、名産の「川俣シャモ」を使ったすきやきセットや、町特産の花「アンスリウム」をかたどったスイーツなどを手掛けてきました。

2020年度からは「かわまたジェラート」の販売を開始し、ブルーベリーミックスやニホンミツバチのはちみつなど五つの味を展開。今年は新たに、高い糖度とねっとりした食感が特徴のサツマイモ「べにはるか」の焼き芋を使用したジェラートを発売しました。このサツマイモは、2017年3月まで避難指示が続いていた町南東部の山木屋地区の農家が生産したものです。

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学生たちの熱意と地域との絆

商品開発では、学生たちが何度も川俣町を訪れ、レシピ提案や市場調査、販売支援などに幅広く関わってきました。祖母と母が福島県出身という農学部4年の男子学生(22歳)は、「現地の方々と接する中で、震災当時の出来事や町を復興してきた思いを知り、熱くなりました。心を一つにして地域を盛り上げたいです」と語ります。

新商品のジェラートは、奈良県平群町でイタリアンジェラート販売などを手掛ける「テンダーボックス」の協力を得て開発されました。皮を入れることで香ばしさを引き出し、甘さも絶妙なバランスに仕上がっています。パッケージデザインは文芸学部の学生が担当し、地域の魅力を伝える工夫が凝らされています。

好評を博す商品と地域への期待

ジェラート(100ミリリットル入り)は税込み410円で、「道の駅かわまた」内の「かわまた銘品館シルクピア」で今年1月から販売されています。渡辺早苗店長は、「見た目もおいしそうで、手軽に手を伸ばせる商品です。若い学生たちが取り組んでくれたことが、地元にとって大きな励みになっています」と手応えを感じています。

近畿大学は今年2月、川俣町と連携してきたこれまでの取り組みを振り返るフォーラムを開催しました。14年余りの活動を成果報告書にまとめ、次世代を担う中高生の教材として活用していく計画です。農学部の大石卓史教授(農業経済学)は、「震災前に戻りきっておらず、高齢化にも直面している地域です。卒業生たちが深く関わることで、取り組みが将来の地域の担い手づくりにつながってほしいと願っています」と述べています。

学生たちも、活動で得た経験を次の世代につなぎ、広く知ってもらいたいとさらなる展望を抱いています。震災から15年を経て、地域復興への新たな一歩が続いています。

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