静岡県浜松市と市内の農業協同組合などが5月に設立した「浜松市農ライフ推進協議会」は10日、短時間・単発の農業アルバイトを募集するマッチングアプリの運営会社「鎌倉インダストリーズ」(神奈川県鎌倉市)と事業協定を締結した。この取り組みは、深刻化する農家の人手不足を緩和するとともに、農業の魅力を幅広く発信し、新規就農を促進する狙いがある。
アプリの仕組みと期待される効果
同社が運営するアプリは「1日農業バイトdaywork(デイワーク)」。求人側の農家が日時や仕事内容、バイト代などの労働条件を登録し、応募者の情報を確認すれば、ボタン一つで簡単にマッチングが成立する仕組みだ。市や農協は、地域の農業従事者に対してアプリの利用を促進するとともに、SNSなどを通じて農業に関心のある市民の掘り起こしを図る。
今後はアプリの利用促進キャンペーンを展開したり、新規就農を目指す人向けに相談体制を整備したりすることも検討されている。同社はアプリの使い方に関する講習を担うほか、利用状況のデータを市や農協と共有し、利用促進策などを助言する。同社は同様の取り組みを全国各地で行っており、昨年のマッチング件数は延べ約24万件、今年は30万件を超える見通しだという。
浜松市の農業事情
浜松市の2020年の総農家数は1万42戸で、2000年からの20年間で38%減少した。農業従事者に占める75歳以上の割合は28%、60歳以上だと68%に上り、高齢化の進行による人手不足や後継者難が大きな課題となっている。
この日、浜松市役所で開かれた協定締結式では、推進協議会の会長を務める下位基弘・市農林水産担当部長が「人口減が進む中、農業の担い手確保は急務となっている。裾野を広げて様々な人が農業に携わる姿をつくっていきたい」とあいさつ。同社の原雄二社長は「浜松は工業と農業が共存する、他に例のない街。企業との連携がうまくいけば、(社員の多くを農業バイトに呼び込むことができて)先駆的な事例となる」と期待を示した。
協定締結後には記念撮影が行われ、原社長(左端)、下位部長(中央)らが参加した。



