九州の甘いしょうゆ、海外15か国に拡大 日韓W杯きっかけで広がる「ニビシ醤油」の挑戦
九州の甘いしょうゆ、海外15か国に拡大 ニビシ醤油の挑戦 (11.04.2026)

九州の甘いしょうゆが世界へ ニビシ醤油、15か国・地域に輸出拡大

福岡県古賀市に本社を置くニビシ醤油が、九州で親しまれる甘味の強い「うまくちさしみしょうゆ」を中心に、海外市場への進出を加速させている。現在、東アジアを中心に15か国・地域に商品を輸出しており、売上高に占める海外比率を現状の1割から、10年後には3割超に引き上げることを目標としている。同社は1919年(大正8年)に創業した老舗メーカーで、地域の食文化を支えてきた歴史を持つ。

日韓ワールドカップがきっかけで広がった海外人気

ニビシ醤油の商品が海外で認知され始めたのは、2002年に日本と韓国で共催されたサッカーワールドカップの前後だった。来日した韓国の商人が、山口県下関市と韓国・釜山を結ぶフェリーで同社のしょうゆを持ち帰ったことを契機に、福岡と食習慣が似て白身魚をよく食べる釜山市民の間で人気が広がり、現地の商店に並ぶようになった。末松繁雄会長兼社長(71)は「地域的な交流の中で自然に広がっていった」と振り返る。

訪日客増加で商機拡大 海外事業部を新設

2010年代には福岡を訪れる訪日客が増加し、商機がさらに拡大。同社は博多ラーメンスープなども輸出するようになり、取引先は香港やマレーシアなどにも広がった。商品ラベルの名称部分は日本語表記のままにし、日本の味をそのまま伝える姿勢を堅持。2023年には収益拡大を目指して「海外事業部」を新設し、最大の輸出先である韓国では昨年12月から社員がソウルに駐在するなど、現地での販売強化に力を入れている。

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ベトナム市場に注力 日本食ブームを追い風に

現在、最も注力している市場はベトナムだ。日系スーパーの進出により、若年層を中心に日本食ブームが起きており、食品問屋と連携して販売先の開拓に取り組んでいる。海外事業部の宮本伸介さん(49)は「我々の『さしみしょうゆ』は魚だけでなく肉との相性も良く、汎用性が高い強みがある。九州の味を海外で広げていきたい」と意気込みを語る。

商品ラインナップと今後の展望

同社の主力商品である「うまくちさしみしょうゆ」シリーズには、通常より食塩分を45%カットしたタイプもあり、健康志向の消費者にも対応。会社全体では「特級うまくちしょうゆ」が主力で、みそや白だし、ソースなども製造している。ホームページでは海外向けに英語で商品を紹介するなど、国際的な展開をサポートする体制を整えている。地域に根差した伝統を守りつつ、グローバル市場での成長を目指すニビシ醤油の挑戦は、九州の食文化を世界に発信する重要な役割を果たし続けている。

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