米子の商店街で空き店舗活用進む、若者と地元企業つなぐ場に
米子商店街、空き店舗活用で若者と企業つなぐ

鳥取県米子市中心部の法勝寺町商店街で、空き店舗の利活用が進んでいる。今月下旬には、築140年余りの元人形店がレンタルオフィスなどを備えた施設としてオープンする。今秋以降にも元呉服店と元陶器店が、若者と地元企業をつなぐ複合施設や簡易宿泊所に生まれ変わる予定だ。これらの事業は米子市などが運営するファンドの投資で進められ、人と人のつながりや交流の創出を目的としている。

元人形店が「まちのまなびば」に

元人形店の施設は「まちのまなびば法勝寺町ENNE(エンネ)」と名付けられた。4室のレンタルオフィスと、貸し切りイベントにも対応可能なコワーキングスペースを備える。運営はまちづくり会社「ヨナゴデザイン」が担当する。

同社のメンバーは、米子商工会議所青年部時代に「若者が集うまちづくり」をテーマに研究してきた。試行錯誤の中で、20年以上空き家だった人形店の関係者から声がかかり、この施設の整備に至った。施設内には交流を促進するコンシェルジュが配置され、県内外の企業経営者から寄贈された本が並ぶ本棚も設置される。本を活用した交流イベントも定期的に開催する予定だ。

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施設名の「エンネ」はフィンランド語で「つながり」や「前触れ」を意味し、日本語の「縁」をかけて「縁が生まれる場所に」という願いが込められている。下田由美代表は「市民や学生が活発に交流し、新しいアイデアや事業が生まれる場にしたい」と期待を語る。

元呉服店と元陶器店の再生計画

人材育成会社「BEANS(ビーンズ)」および子会社「BEANSラボ」(ともに米子市)は、3階建ての元呉服店を改装する。1階と2階は地元企業と若者らの交流スペース「Bラボ」、3階は貸し会議室「Bスクール」として整備し、11月のオープンを目指す。

この施設は、地元企業を知らないまま県外の大学に進学し就職活動を始める若者と、人手不足に悩む地元企業との需給ミスマッチの解消を狙う。Bラボは「まちの進路相談室」を掲げ、地元企業の社員が平日の放課後に交代で詰め、中高生らに会社の魅力を説明する予定だ。

また、Bラボに隣接する元陶器店は1棟貸しの簡易宿泊所に改装される。県内企業での就業体験時の利用などが想定されている。これらの遊休施設は米子信用金庫の紹介で見つかったという。

BEANSラボの遠藤みさと社長は「鳥取にも優れた企業がたくさんある。若者が県外に出る前に地域の職業を知り、鳥取の将来にわくわくできるような環境を作りたい」と意気込みを示す。

ファンドが支援するまちづくり

両計画は、米子市と地元金融機関が共同出資する「よなご住んで楽しいまちづくりファンド」の投資を受けている。このファンドは、中心市街地などに点在する遊休不動産の利活用を促し、まちの魅力向上につながる事業を支援するものだ。

伊木隆司市長は「時代とともに商業のあり方が変わりつつある中、若い世代が新しい時代に向けて考え、行動した結果の一つだ。ここはかつて人々が行き交い、さまざまなコミュニケーションが生まれた場所。にぎわいの拠点の一つになればうれしい」と述べている。

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