子どものソーシャルメディア利用をめぐり、総務省の有識者会議が事業者への規制強化を盛り込んだ報告書案をまとめた。サービスごとのリスク評価や年齢確認の厳格化が柱で、海外で進む年齢による一律規制とは一線を画す。会議メンバーの慶応大・水谷瑛嗣郎准教授に議論の内容を聞いた。
リスク評価と軽減措置の重要性
今回の議論の焦点は、インスタグラムやTikTokなどのソーシャルメディアサービスごとに、子どもが利用した場合のリスク評価を求める点だ。水谷准教授は「単に『リスクがある』と公表するだけでなく、より安全な設計を促すために軽減措置を求める必要がある」と指摘する。さらに、リスク評価や軽減措置が適切かどうかを外部から監視・検証できる仕組みも重要だと述べた。
年齢一律規制を採用しない理由
海外では16歳未満のアクセスを禁止するなどの年齢一律規制が進んでいるが、今回の報告書案では採用しなかった。水谷准教授は「一律規制は単純で効果的に見えるが、子どもの表現の自由や情報アクセスを過度に制限する恐れがある。また、年齢確認の技術的課題やプライバシー問題も無視できない」と説明する。そのため、サービスごとのリスクに応じた柔軟な対応を求める方針となった。
今後の課題と展望
報告書案は今後、パブリックコメントを経て正式な報告書としてまとめられる。水谷准教授は「事業者にはリスク評価の結果を踏まえた安全設計を求めていきたい。また、保護者や教育現場への啓発も重要だ」と話す。子どものSNS利用をめぐっては、有害コンテンツへの接触や依存症などの懸念が続いており、実効性のある規制が求められている。



