ふくしまデスティネーションキャンペーンが本格始動、観光客1600万人を目標に
福島県内の自治体と観光事業者、JRグループが連携する大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」が4月1日、正式にスタートしました。このキャンペーンは、6月末までに300以上のイベントを開催し、約50本の団体臨時列車を運行するなど、多彩なプログラムで観光客の誘致を図ります。JRグループ6社が全国から集客に取り組み、県全体の観光活性化を目指しています。
キックオフイベントで関係者が意気込みを表明
福島市のJR福島駅前では、キックオフイベントが行われ、内堀知事をはじめとする関係者約100人が参加しました。内堀知事は「多くの方々に福島を訪れ、見て、食べて、この地の宝を存分に楽しんでいただきたい」と挨拶し、観光客への歓迎の意を表明しました。また、静徹也・同駅長は「東日本大震災と原発事故から15年という節目の年だからこそ、福島の魅力を広く伝え、再訪を促すために全力を尽くしたい」と力強く語り、「出発進行」と宣言してキャンペーンの開幕を告げました。
駅近くの「コラッセふくしま」では、キャンペーン開始を記念し、県内の酒蔵が製造した4種類のカップ酒の販売が始まりました。購入した二本松市の団体職員、田畠翔さん(38)は「福島県内には多くの蔵元があり、日本酒の種類も豊富です。DCを通じて訪れた方々にも、お気に入りのお酒を見つけてほしい」と期待を込めました。
過去の実績を踏まえ、目標を上積み
県内でのDCは2015年以来の開催となります。県の発表によると、昨年4月から6月にかけて実施された「プレDC」では、観光客の入り込み数が1516万人と目標の1500万人を上回り、経済波及効果は301億7200万円に達しました。今回の本番では、さらなる成長を目指し、入り込み数を1600万人に設定しています。
宿泊を伴う観光開発に重点を置く
ふくしまDCでは、自治体や観光業者が連携体制を強化し、観光資源の魅力向上に努めてきました。特に、宿泊を伴う観光の開発に力を入れており、郡山市の農園での早朝ブルーベリー狩りや、金山町の霧幻峡での渡し船ナイトツアーなど、滞在型の企画を多数用意しています。県旅館ホテル生活衛生同業組合の高橋美奈子副理事長は「単独の宿泊施設だけでなく、温泉地全体が連携するような観光のレガシーを創出したい」と強調しました。
喜多方市では、プレDCから官民連携の組織を設立し、準備を進めてきました。約1000本の桜が続く「日中線しだれ桜並木」は、前回のDCで知名度が向上し、地元の桜並木から関東や東北各県からの観光客が訪れる人気スポットへと変貌を遂げました。市商工観光課の担当者は「DCは観光を磨き上げる絶好の機会です。先人たちが残したような観光遺産を後世に伝えたい」と語り、今回は喜多方ラーメンをPRするフォトスポットの設置や、発酵・醸造文化を楽しむイベントを企画しています。
被災地の新たな魅力を発信
相馬市の松川浦にある旅館の若旦那らで構成される「松川浦ガイドの会」は、東日本大震災で途絶えた「浜焼き」体験や釣り体験を復活させ、観光客に提供します。同会会長で「亀屋旅館」の若旦那、久田浩之さん(44)は「浜通り地域には美味しい海鮮や美しい海、様々な観光施設が豊富にあります。被災地としてではなく、浜通りの本来の魅力を体感していただきたい」と訴えました。
キャンペーン初日に発売されたカップ酒を製造した酒蔵の一つ、笹正宗酒造(喜多方市)の岩田悠二郎代表(39)は「福島県の産品や環境を愛する方が一人でも増えることを願っています」と期待を寄せました。このキャンペーンを通じて、新たな「福島ファン」の獲得が期待されています。



