浜通りサイクルルートがナショナル候補に 東北初指定へ、復興観光の新たな柱に
浜通りサイクルルートがナショナル候補 東北初指定へ

浜通りサイクルルートがナショナル候補に 東北初指定へ

福島県浜通り地域を縦走する自転車観光道「ふくしま浜通りサイクルルート」(全長約178キロ)が、国内を代表する「ナショナルサイクルルート」の候補に選ばれました。審査を経て、今夏頃には東北地方で初めてとなる同ルートとして国から正式に指定される見通しです。浜通り地域の観光振興や、東日本大震災からの復興状況を国内外に発信する強化につながることが期待されています。

ナショナルサイクルルートとは

ナショナルサイクルルートは、走行環境や受け入れ体制などの厳格な要件を満たすことで指定される国内トップクラスの自転車道です。現在は、琵琶湖を一周する「ビワイチ」や、広島県と愛媛県を結ぶ「しまなみ海道サイクリングロード」など、全国で6ルートが指定されています。国がこれらのルートの魅力を国内外に積極的に発信し、自転車を活用した観光振興の取り組みを推進しています。

浜通りサイクルルートの特徴

浜通りサイクルルートは、いわき市から新地町までの沿岸部を結んでおり、東日本大震災後に整備されたサイクリングロード「いわき七浜海道」も含まれています。このルートの最大の特徴は、美しい海岸線の景観や豊かな自然を楽しめるだけでなく、2026年4月に開園する福島県復興祈念公園や、東日本大震災・原子力災害伝承館など、各地に点在する震災伝承施設を巡ることができる点です。サイクリストは、震災の記憶と復興の現状を直接学び、感じ取ることができます。

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充実したサポート体制

ルートの出発点となる「ゲートウェイ」は、以下の4か所に設定されています。

  • JRいわき駅
  • JR新地駅
  • サイクルステーションを設ける温泉宿「いわき新舞子ハイツ」(いわき市)
  • 富岡町の自転車ショップ「TURTLE CYCLE(タートルサイクル)」

沿線には、サイクリストのための休憩施設や自転車修理が可能な施設などが整備されており、快適な走行環境が提供されています。

指定に向けた取り組み

2023年7月には、福島県や自転車関連団体、観光関係団体などが推進協議会を設立し、東北初のナショナルサイクルルート指定を目指して活動を開始しました。具体的な取り組みとして、自転車をそのまま持ち込める「サイクルトレイン」の運行や、宿泊施設などの受け入れ環境の整備が進められてきました。また、昨年8月には「浜サイ」という愛称を決定し、地域内外への浸透を図っています。

内堀雅雄福島県知事は、3月23日の記者会見で「浜通りの観光振興と地域の復興につなげていきたい」と意欲を語り、指定への期待を表明しました。

候補ルートの選定

ナショナルサイクルルートの候補は、3月23日に開催された国土交通省の審査委員会で決定されました。浜通りサイクルルートのほか、以下の6地域が選ばれています。

  1. 富士山一周ルート
  2. 新潟県魚沼地域
  3. 石川県能登半島
  4. 鳥取県日本海沿岸
  5. 熊本県天草地域
  6. 福井県若狭湾沿岸

サイクルトレインの運行開始

JR東日本水戸支社は、自転車を分解せずに車内に持ち込める「サイクルトレイン」の運行を、常磐線の一部区間で4月4日から開始します。これは、同月に始まる大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン」に合わせ、サイクリングを通じて浜通り地域の観光を活性化させるための施策です。

対象区間は、いわき駅から原ノ町駅までの18駅間で、乗車料金のみでどの駅でも自由に乗り降りが可能です。運行は土曜日、日曜日、祝日に限定され、普通列車で利用できます。

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同支社は、昨年5月から11月にかけて実証実験を実施し、想定利用人数を達成したことや、利用者からの好評を受けて本格導入を決定しました。福島県内のJR路線では、只見線と水郡線に続いて3例目となります。

この区間には、「ふくしま浜通りサイクルルート」の海側ルートの一部が並行して走っています。JR東日本水戸支社の担当者は「観光推進や地域の連携強化に貢献するとともに、ナショナルサイクルルート指定の後押しになれば」と期待を寄せています。

サイクルトレインでは、各列車で10台までの自転車持ち込みが可能で、利用には専用サイトからの事前予約が必要です。駅や列車の混雑が予想される日には、利用が制限される場合があるため注意が必要です。