落ち着いた文教の街・目白を歩く
大規模な商業施設が少なく、大学などが点在する東京都豊島区の目白。静かで落ち着いた雰囲気が漂うこの街には、文化財の建物で暮らす馬がいると聞き、散策に出かけた。
学習院大学の歴史ある馬術部
JR目白駅を降りると、すぐに学習院大学のキャンパスが広がる。都心とは思えない緑豊かな敷地を南へ進むと、馬術部の学生が馬場を整地している姿が見えた。
同大学の馬術部は国内最古級の140年の歴史を誇る。乗馬用の馬やポニー計18頭が暮らす厩舎は国登録有形文化財に指定されている。厩舎の中では、運動を終えて湯気が立つ馬の体を部員が丁寧に拭く光景があった。約60人の部員が毎日交代で世話に当たっているという。
乗馬の全国大会で好成績を収めるだけでなく、小学生向けのポニー乗馬体験会を開催するなど、普及活動にも熱心に取り組んでいる。主将の西村仁孝さん(21)は「一緒にいると馬が成長する様子も分かります。部員にとっても貴重な体験です」と語る。
キャンパス内の文化財建築
学習院大学の構内には、他にも六つの文化財が存在する。林の中の坂道を上りながら構内を巡ると、大正期に建てられた寄宿舎「東別館(旧皇族寮)」が現れた。玄関には優美な馬車寄せの屋根が付いており、歴史の重みを感じさせる。
地元愛される和菓子店「志むら」
駅方面に戻り、学習院関係者に長く愛されている和菓子店「志むら」でランチを楽しんだ。この日のデザートは銘菓の九十九餅。卵を使った求肥はしっとりと上品で、3日間煮含めた虎豆のふっくらした食感がアクセントになっている。きな粉をたっぷりまとった菓子は、優しい甘さが特徴だ。
女将の志村友子さん(66)は「小さく切ってバニラアイスと召し上がるのもお薦めですよ」とアドバイスしてくれた。
のぞき坂と肥後細川庭園
店を出て目白通りを東へ進むと、アニメ「天気の子」などの舞台にもなった「のぞき坂」に到着。上り下りをしてみると息が上がるが、この辺りの地形の特徴を実感できる。
さらに早稲田方向へ10分ほど歩くと、肥後細川庭園(入場無料)が見えてきた。旧熊本藩主細川家の下屋敷跡にあるこの庭園には、学問所だった松聲閣が残されている。2階から園内を眺めると、花々が咲く散歩道を歩く人の姿が絵のように美しかった。
学習院大学の見学を希望する場合は、同大学公式サイト内の「目白キャンパス見学をご希望の皆様へ」を参照すると良い。静かな文教の街・目白には、歴史と文化が息づくスポットが数多く存在している。



